碧岩西稜・大岩

11月の会山行で西上州の碧岩西稜に行ってきました。
碧岩は西上州のマッターホルンと呼ばれているそうで、遠くから見るととても鋭く尖った形をしています。
ちなみにこの写真では高く見えている方が碧岩の隣にある大岩で、右側の少し低い方が碧岩のようです。
碧岩には破線ルートの登山道もあるそうですが、今回登るのはバリエーションルートの碧岩西稜。
ネットで調べるとそれなりに登られているルートのようですが、本に載ってないルートでトポがないので、細かいところはよく分かりません。

登山口から30分ほど歩いて三段の滝に到着。
三段の滝までは滝を見物に来る観光客もいるそうですが、途中の橋が流されて無くなっているところもあって、意外と歩きづらかったです。

三段の滝の上に出たところで歩き組のメンバーと別れて、登山道を離れて対岸に渡り、西稜の取り付きを目指して斜面を登っていきます。
写真のコルの部分を過ぎて少し登ると碧岩西稜の末端の部分に着きます。

僕らが岩稜の末端の辺りに着くと、先に着いていたTK2達のパーティが西稜の南側の側壁を登っていました。
ちなみに今回は3つのパーティに分かれて、僕は久々に岳人さんとパーティを組んで登ります。
岳人さんと相談し、ここはちょっと難しそうに見えるから、もう少し簡単に登れそうなところを探そうということになり、周囲を歩き回って取り付きやすそうなところを探しました。

末端を回り込んで西稜の北側の方まで歩いて行くと、ルンゼ状になっていて歩いて登っていけるところがあり、そこからなら少し岩を登るだけで稜線上に出られそうなので、僕らのパーティはここから取り付くことにしました。
ちゃんとしたトポが無いルートだからこそこういうことが出来るのだと思いますが、こうやって自分たちの感覚を頼りに歩き回って、登りやすそうな取り付きを探すということが、当たり前と言えば当たり前なんでしょうけど僕には新鮮な感じがして、この時間がとても楽しかったです。

藪の生えた壁をフォローで登ってくる岳人さん。
こうやって岳人さんとロープを結んで登るのは天狗山ダイレクトのとき以来で、実に4年ぶり。

稜線に出たら登山道のようにしっかりした踏み跡があって、ちょうど稜線の反対側からTK2が登ってきていました。
ここから先は一応コンテで登りましたが、たまにちょっとした岩場が出てくるぐらいで、ほぼほぼ歩きでした。

1時間ほど歩いたところで頂上直下の岩場に到着したので、そこからはまたスタカットで登攀。
ここは結構スッキリしたⅢ級ぐらいの感じの岩場で楽しかったです。
中間支点は残置ハーケンがあったのでそれを使いました。

無事に登り切って笑顔の岳人さん。
「これが最後」と毎回のように言いながら結局クライミングを続けている岳人さんですが、なんと今年で79歳ということなので、こうなったら80になっても頑張ってクライミングを続けてほしいです。

岩場を2ピッチぐらい登ったところで頂上に到着。
ここからは南側にある登山道を降りて、隣にある大岩に向かいます。
碧岩の登山道にはフィックスロープが何本もあるから、それを掴んで降りられると聞いてましたが、結構傾斜の強い岩場だったので1ピッチ懸垂下降で降りました。

大岩はバリエーションルートではなく登山道なので、普通に歩いて登りましたが、こうして写真で見るとなかなかの岩山な感じです。

大岩の頂上から見た碧岩。
この刃物のように鋭くとがった岩の感じは、まさに西上州のマッターホルンです。

碧岩をよーく見たら、歩き組のパーティが碧岩の登山道(?)を登っているのが見えました。
後で歩き組のリーダーの塩Gに話を聞いたら、フィックスを使わずに自分達のロープを使ってリード&フォローで登ったらしく、Ⅲ級ぐらいの感じだったそうで、もはや何のために歩き組とバリエーション組に分かれたのかよく分からない感じでした。
後は皆で登山道を歩いて降りて、15時前ぐらいに無事に下山。
僕は妙義山以外では初めて西上州の藪岩を登りましたが、メジャーなルートと比べると情報が少ない分、自分達で考える余地があり、コンパクトながらも達成感があって、とても良かったです。
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