天狗山ダイレクト
2021年4月20日(火)
岳人さんと天狗山ダイレクトを登ってきました。
会の大先輩の岳人さんとは、これまでに何度か谷川の一ノ倉に行ったり二子山中央稜を登ったりしてきましたが、そんな岳人さんももうすぐ後期高齢者になるそうです。
岳人さんが最後(?)にどうしても登っておきたいルートがあるというので、今回は天狗山ダイレクトというマルチピッチのルートを登ることになりました。
馬越峠から登山道をしばらく歩くと、展望が開けた小ピークがあり、これから登る天狗山ダイレクトの岩稜がよく見えます。
と思っていましたが、実際に見てみると木が多くてよく分かりません。
多分奥の方の尾根の、木々の間からちょっと岩が見えている感じのが天狗山ダイレクトです。
前述の小ピークを過ぎた後のコルの部分から、登山道を離れて南に下る踏み跡を辿ります。
赤テープがたくさんついていて、踏み跡も登山道ぐらい明瞭なので分かりやすいです。
下り初めてから15分ほど、標高1600m付近のところで写真のケルンがあり、この辺りから右にトラバースしていきます。
するとすぐに岩稜の末端が見えてきて、ここが天狗山ダイレクトの取り付きです。
取り付きのところで登攀の準備をしますが、岳人さんが腰に着けているギアを見てみたら、今回もやっぱり持ってきてました。
はたから見たら凶器にしか見えない例のアレです。
どうやら岳人さんは今回もヤる気満々のようです。
1ピッチ目は見ての通りの苔むした岩で、難しくはないですが岩がちょっと脆いので注意が必要です。
2ピッチ目になるといくらかマシな岩が出てきて、ここからようやくクライミングという感じ。
傾斜は立ってますが簡単です。
3ピッチ目は簡単な岩稜を歩き。
正面に見える岩を右に回り込んで、4ピッチ目は岩の右側壁のクラックを登ります。
4ピッチ目の後はコンテで10分ほど歩いて、また岩が見えてきたら右側に回り込んで、ワイドクラックの右の壁を登ります。
ここはプロテクションが取れず、残置ハーケンを使って登りました。
5ピッチ目の終了点のテラスで小休止。
登攀中は振り返ると川上村の景色が良いです。
6ピッチ目はテラスから10mぐらいの高さの壁を登ります。
ここも傾斜は立ってますが簡単でⅢ級ぐらい。
その後は岩尾根を歩いて三段岩壁の基部まで行きます。
見た目はちょっと危なそうだったのでスタカットで行きましたが、意外と普通に歩けるところでした。
そしてクライマックスの三段岩壁。
ここは以前は真っすぐは登れなくて、左側に回り込んで簡単なところを登っていたそうですが、2020年の夏にボルトが打たれて直登できるようになったそうです。
というわけで、開拓者の方へ敬意を表しながら、ありがたくボルトを使わせて頂いて直登。
ここはこれまでの部分よりもワンランク難しく、といっても5.7ぐらいの感じですが、若干は登りごたえがありました。
核心の三段岩壁を登る岳人さん。
岳人さんにもここまでの部分は簡単だったみたいで、三段岩壁の部分は楽しみながら登ってました。
二段目まで登ってピッチを切り、三段目はボルトが打たれた左壁を登って右上したところで終了。
その次のピッチはⅡ級ぐらいの階段状で、後は踏み跡を辿って頂上まで。
取り付きから5時間弱で頂上に到着。
岳人さんは「今度こそ、これでクライミングはやめる!」と、もはや登攀後のお決まりとなったセリフを吐いてました。
山頂からは、雪をかぶった八ヶ岳や南アルプスの山々が見えて、岳人さんは久しぶりに山の景色を堪能したようでゴキゲンでした。
最後に岳人さんのご家族へ一言
岳人さんはなかなかのスーパーおじいさんです。
多分まだまだ登れるので、もう少しの間、暖かく見守ってあげて下さい。
お願いします。
今回のルート
8:24 馬越峠
↓ 2時間45分
9:14~9:35 岩稜の取り付き
↓ 4時間46分
14:21~14:35 天狗山
↓ 39分
15:14 馬越峠
Comment Box
is loading comments...
山日記メニューへ