小川山50

TK2と1泊で小川山に行ってきました。
この日は午後から雨の予報でしたが、兄岩の東面は多少雨が降っても大丈夫らしいので、兄岩でスポートルートを登ることにしました。
僕は今年初めての兄岩で、渡渉がちょっと心配でしたが、橋が架かっていて簡単に渡渉できました。

まずはアップで「最高フレーク」(5.9)をオンサイト。
トポに書いてある通りハンドジャムはバチ効きですが、登ってみると結構傾斜が強く感じ、なかなか力が要ります。

次に「日銀総裁究極のインサイダー」(5.10c)にオンサイトトライ。
適当に登り始めてみたら、思ったよりも早めに核心があって、一発で越えられずにテンションを掛けてしまいました。
核心を越えた後はそのままトップアウトできたので、もう少し真剣にオブザベしておけばよかったです。

そして3本目は、前からやりたいと思っていた三つ星ルートの「スケアクロウ」(5.11a)にオンサイトトライ。
写真のロープが掛かっているところが「スケアクロウ」ですが、兄岩西面の1階のエリアから登り始めて、そのまま兄岩のてっぺんまで登る30mのロングルートです。
とにかく長いですが、奇跡的に良い感じのホールドがずっと繋がっていて、岩に導かれるままに登っていったらオンサイトできました。
とても気持ち良かったです。

雨の降り始めを気にして天気予報をこまめに確認してましたが、降り始めの時間がどんどん後ろ倒しになっていく感じだったので、午後から「森の緑にかこまれて」(5.11b)にトライを開始。
オンサイトトライはほとんど各駅停車で、クリップするのが怖くてヌンチャクを掴んでしまったりもしましたが、核心のムーブはすんなり解決してトップアウト。
核心部分のクリップがちょっと怖くて、2回目のトライのときはちょっと怖いのを我慢して核心を越えてからクリップしようと思いましたが、いざその場に行ってみるとやっぱり怖くて、頑張って核心の手前でクリップしたら、核心部分で最初のトライと若干違う体勢になってしまいました。
この体勢ではさっき届いたホールドに届かないと思い、1回目のトライでは使わなかった、持ち感の分からないホールドにデッドするしかなくなってしまいました。
一瞬体が躊躇するのを感じましたが、頑張ってクリップした甲斐もあってトップロープ状態だったので、心を落ち着かせて気合いと共に手を出し、ガシッと掴んだホールドがガバだったことで、安心感や達成感、不安に屈せずにやり切れたという満足感、賭けに勝ったという喜びなど、多くの種類の幸せが右手の指先から一瞬にして身体中を駆け巡るのを感じました。
そのまま足を上げて雄叫びを上げ、終了点まで登って無事にレッドポイント。
小川山本で11bの基準として挙げられているルートなので、このルートが1日で、しかも2撃で登れたのは嬉しいです。

「スケアクロウ」も「森の緑にかこまれて」も登れて僕は大満足だったので、雨が降る前に撤収することにしてキャンプ場に戻り、こないだの沢でのタープ泊用に買った小さいタープを張りました。
これで少しぐらい雨が降っても大丈夫だろうと思いましたが、そう上手くはいきませんでした。

夕方17時頃にザーっと強い雨が降ったので、タープの下で雨をやり過ごして、雨が止んでから焚き火を始めました。
しばらく焚き火を育てていたら、またザーっと雨が降ってきたので、またしばらくタープの下に避難。
雨で焚き火は一度消えましたが、熾がまだ赤々としていたので、また細い薪を足したら再び燃え上がり、さすがにもう雨は降らないだろうと思ってウインナーを焼き始めた頃に、3度目の雨が降り始めました。
3度目の雨は豪雨と言っていいほどの強さで、バチバチと大粒の雨がタープを叩きつけ、何度も雷鳴が轟き、タープの端からは滝のように水が流れ落ちていました。
しかもこの3度目の雨は時間が経っても止む気配がなく、テントから少し離れたところにタープを張っていた僕らは豪雨の中で孤立してしまい、雨雲レーダーを見ながら、雨雲が通り過ぎるのをじっと待ちました。
一番雨が強かったときは45mm/hの表示になっていました。
やがて雨が弱まってきたので、慌てて荷物をまとめて、テントの中に潜り込みました。
テントが浸水していないか心配でしたが、中は無事で一安心。
しかし僕らが床に就いてからも雨は降り続け、こんなにも激しい雨が降ってしまっては、明日はどこも登れないかなぁと、諦めと残念な気持ちに包まれながら眠りに就きました。
2日目へ続く。
【今日の成果】 |
最高フレーク | 5.9 | OS |
日銀総裁究極のインサイダー | 5.10c | トップアウト(2テン) |
スケアクロウ | 5.11a | MOS |
森の緑にかこまれて | 5.11b | トップアウト(テン山) |
森の緑にかこまれて | 5.11b | RP |
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