辻山

新人のボンボンとテント泊で冬山を登りに行こうという話になり、南アルプスの鳳凰三山に行くことにしました。
鳳凰三山は僕が登山を初めて2年目にテントを買ったときに、初めてテント泊に行った思い出のある山で、いつか冬にも行ってみたいと思ってましたが、冬は登山口までのバスが無く、行き帰りのタクシー代が高くつくので、今までなかなか踏ん切りがつかずに行くことができませんでした。
しかし今回はボンボンという相棒が居るので、タクシー代が半分で済みます。
先週までは雪が少なかったみたいですが、ちょうどこないだの土日の寒波で雪が降って、さらに前日の11日に南岸低気圧が通ってまとまった積雪があったみたいで、良い感じの雪山になっているようです。
芦安から夜叉神までの林道は積雪や凍結で通行止めになることがあり、タクシーで登山口まで行けるか分からなかったので、最悪の場合は芦安から歩くつもりで前日の夜のうちに甲府駅に集合して、駅の近くの素泊まり3500円のゲストハウスで前泊。
朝は6時16分発の御勅使行きのバスに乗り、終点の1つ前で降りるとちょうどタクシー会社の車庫のところなので、そこからタクシーに乗って夜叉神峠登山口へ。
芦安から先の林道は一部凍結してましたが、通行止めにはなっておらず、無事に7時半に登山口に到着。

8時に登山口を出発して、10時頃に夜叉神峠に到着。
夜叉神峠からは、雪を被って真っ白になった白峰三山がよく見えました。
真っ白ですごく綺麗な稜線で、いつかはあんなところを冬に歩いてみたいなと思いました。
今回は、雪が多少あっても歩くのはそんなには遅くならないだろうと思っていたので、標準コースタイム通りで時間を見積もっていたのですが、ボンボンの調子があまり良くないみたいで、夜叉神峠までの道のりで計画の3割増しぐらいの時間がかかりました。
まぁ元々の計画では13時半には幕営予定の南御室小屋に着くはずだったので、多少の遅れは問題ないだろうと思い、そのまま次の目的地への杖立峠に向かうことにしました。

夜叉神峠から先は急登が続き、ボンボンのペースがさらに遅くなります。
ボンボンは今回の山行の為に新しく買ったというライペンの60リットルのザックを背負ってますが、思っていたより肩への負担が大きいようで、なかなか辛そうでした。

前の写真から4時間後、雪の積もった森の景色を楽しみながら歩くボンボン。
13時過ぎに杖立峠を過ぎて、その先の苺平に向かってひたすら歩き続けます。
最初、僕は登山口から夜叉神峠までにかかった時間を元にして、この日のゴール地点の南御室小屋までの到着予定時間を考えていましたが、ここまで来て誤算に気が付きました。
ボンボンは疲労が蓄積するにつれてペースが遅くなり、夜叉神峠から杖立峠まで歩くのにかかった時間は標準コースタイムのなんと1.7倍の約3時間。
このままだと南御室小屋に無事に行けるかどうかすら怪しくなってきました。

苺平への登りの途中で16時を過ぎてしまい、さすがにちょっと焦りを感じてきました。
やむを得ずボンボンのザックを僕が体の前に持ってしばらく登りましたが、頭よりも高いザックを前後に担いで歩くと、前が見えなくて非常に歩きづらく、進行方向に対して体を斜めにした上で首を限界まで横に向けて歩きましたが、30分ほど頑張ったところで僕の首がダメになりました。

やっとの思いで苺平に着きましたが、既に17時過ぎ。
もうこの辺でテントを張ろうかとも思いましたが、ここから南御室小屋へはほぼ下りなので、もう少しだけ頑張って南御室小屋まで行くことにしました。

僕が先に1人で南御室小屋まで行って、ザックを置いてから来た道を引き返してボンボンのところまで戻り、合流してからボンボンのザックを僕が背負い、18時過ぎにようやく2人とも南御室小屋に到着。
水場の水もちゃんと出ていて一安心。
後はテントを張って休むだけだと思い、テントを設営しようと思いましたが、ボンボンがテントより冬季小屋が良いと言うので冬季小屋に泊まることに。

今回はボンボンに食担をお願いしていたので、夕飯はボンボンに作ってもらった鍋を食べましたが、ここへ来て今度は僕の体に異変が訪れます。
どうやら高山病になってしまったようで、頭痛と吐き気が酷く、食事が全く喉を通りません。
きっと脱水による症状だろうと思い、水分補給の為に温かいポカリをチビチビと飲み続けましたが、一向に吐き気が収まらず、結局胃が空になるまで吐いて倒れるように寝ました。
どうも僕は真冬に高いところに行くと高山病になりやすいようです。
冬はあまり水分を摂らずに登ってしまうので、脱水が原因の一つだとは思いますが、高山病になってから水を飲んでも手遅れのようなので、冬山でもちゃんと水分を摂りながら登れるように工夫しないといけないと思いました。

2日目の朝には体調が回復し、朝食のラーメンはちゃんと食べられました。
水分もたっぷり摂取して、なんとか元気を取り戻すことが出来ました。
ちなみにこの日は僕の誕生日。

一晩お世話になった冬季開放小屋に別れを告げて出発。

当初の予定では、2日目は鳳凰三山を縦走してそのまま御座石鉱泉の方へ降りてタクシーで帰るつもりでしたが、そうすると1日目の行程よりも2日目の方が長くなります。
1日目の様子を考えると、御座石鉱泉まで歩き続けるのは難しそうなので、とりあえず御座石鉱泉に降りるのは諦めることにしました。
この日は天気はすごく良さそうで、せめて薬師岳まで行けたら、稜線に雪の積もった良い感じの景色が見れるだろうなと思い、空身で薬師岳だけ往復しようかとも考えましたが、帰りの道も長いので、安全第一でこのまま夜叉神側に降りることに決定。

とは言っても、せめて何かしらのピークには登りたいので、帰りがけに苺平の近くにある辻山というピークに寄ることにしました。

南御室小屋から苺平へ向かう道の途中の分岐から辻山を目指します。
この道は雪が降ってから誰も歩いていないようでトレースが無かったので、ボンボンにとっては初めてのラッセルをしながら登ることになりました。
ここまでの道は全てトレースがしっかりありましたが、やっぱりトレースが無いところをラッセルしながら登るのが冬山らしくて楽しいです。

膝下ぐらいのラッセルでしたが、それなりに時間がかかり1時間ほどで辻山に到着。
辻山はとても展望が良く、仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳に鳳凰三山、白峰三山からさらに南の方へ続く稜線まで見渡せて、とてもいい景色でした。

北岳のバットレスはやっぱり抜群にかっこいいです。
冬に北岳に登るには、この写真の左手前から伸びる池山吊尾根を登っていくようですが、池山吊尾根からはバットレスがよく見えそうです。
冬の北岳も面白そうなので、いつか行ってみたいと思います。

今回行けなかった鳳凰三山。
残念ですが、また今度トライしたいと思います。

辻山から下り始めた辺りで、僕はまた高山病っぽい症状が出てきてしまい、頭痛と吐き気に苦しみながらの下山となりました。
基本的にはずっと下りですが、たまに出てくるちょっとした登り返しが辛くてすぐに息が切れてしまい、逆にこの日はボンボンの調子が良くて、スタスタと先を歩くボンボンに、僕が息を切らせながら頑張って追いつく感じでした。
飲んだり食べたりするとまた吐いてしまいそうなので、何も口にしないまま歩き続け、15時頃に無事に夜叉神峠登山口に到着。
タクシーで韮崎駅まで行って、駅に着いてすぐに飲み物をたくさん買ってガブガブ飲みました。
ここのところ冬山に行くと体調を崩すことが多いので、そろそろきちんと対策して克服していきたいと思います。
ボンボン側から見た記録
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