南沢大滝2

2月の会山行で八ヶ岳の南沢大滝に行ってきました。
先週からの寒波で、八ヶ岳でも結構雪が積もっているかもと思ってましたが、意外と雪は少なかったです。
この日は月曜日なのに、どういうわけか駐車場に車が多く、美濃戸の駐車場にもたくさんの車が停まっていました。
どうやら翌日が建国記念日で祝日なので、月曜日も休みを取って連休にしている人が多かったようです。

南沢大滝も混んでるかなと心配しながら行ってみましたが、8時半ぐらいに南沢大滝に到着すると誰もおらず、僕らの貸し切りでした。
この南沢大滝は八ヶ岳アイスクライマーにとっての登竜門と言われており、アイスクライマーを目指すならまずはここから的な扱いになっているようですが、2年前に初めてここに来たときはスクリューが全然打てなくて登れませんでした。
しかしあれ以降も何度かアイスクライミングをやってきたので、あのときより少しは上達しているはずです。
特にこないだの岩根山荘の講習会で、何かコツを掴んだような気がするので、なんとなく今回は行けるんじゃないかという気がします。

しかし、南沢大滝に着いて氷瀑を見上げてみると、思っていたよりもとてもデカく感じます。
傾斜が立っているのは上半分だけですが、そこだけ見ても結構長そう。
そしてすごく寒い。
こないだの夏沢鉱泉のときはマイナス10度ぐらいで、まぁ普通に登れましたが、この日の南沢大滝はもう一段寒い感じでした。
アプローチで汗をかいてしまったので、南沢大滝の取り付きで準備をしているうちに体がすっかり冷えてしまい、登る前から指先と爪先が激痛。
今回は一応僕がリーダー的な立ち位置だったので、一発目は僕がリードでトライして、どんな形でもトップアウトするつもりでいたのですが、低体温により全身のシバリングが始まってしまったので、アイスが得意な黒さんに最初のリードをお願いすることにしました。

黒さんは毎週八ヶ岳に通ってアイスの練習をしていた時期もあるそうで、南沢大滝は去年リードで完登しているそうです。
今回は途中でパンプしてしまったみたいで2~3回テンションをかけてのトップアウトでしたが、アックステンションを使わずに、ちゃんと自分で打ったスクリューにしかテンションをかけずに登っていたので、すごいなと思いました。
黒さんがトップロープを張ってくれたので、これで皆今日一日安全にアイスクライミングを楽しめると安心したのも束の間、いざトップロープで登ろうとすると、ロープを引いても全く動きません。
どうやら上の方でロープが凍りついてしまったようです。
こうなると黒さんがセットしてくれたロープは使えず、もう1人誰かがリードで登らないといけません。

メンバー内に悲壮感が漂う中、リーダーとしての使命を一身に背負った僕が、2番手としてリードでトライ。
正直に言って登れる自信があるわけでもないし、行きたいわけでもないけど、皆の為にも行かないといけない。
このときの僕は戦場へと飛び立つ戦闘機乗りのような心境でした。
簡単そうだと思っていた下部のところも、甘く見過ぎてちょっと難しいところを登ってしまい、しかも氷が硬過ぎてスクリューが全然入らず、中間の棚に着いたところで既に腕は張り気味。
上部の傾斜が強いところを登り始めて、1つ目のスクリューを打とうとしたところで、堪えきれずにアックステンションをかけてスクリューを打ち、上を見上げては残りの距離の長さに絶望し、もう上から垂れ下がってるロープにフリクションヒッチをかけて登ろうかと思いましたが、やってみたらすごく登り辛くて完全に腕が終わってしまい、失意の途中敗退。
3番手のそーたは、僕が敗退してきたロープをそのまま使ってヨーヨースタイルで登りましたが、トップロープ状態のまま敗退。
そして次の挑戦者は、今回のメンバーの紅一点であり最高齢の梅さん。
梅さんはここ何年かはフォローでしか登る姿を見ていなかったので、少し心配に思っていたのですが、そんな僕の心配をよそに、梅さんはいつものように何の感情も表に出さずにおもむろに登りだし、あっという間に僕の最高到達点を越えて、登りながらのスクリューインもこともなげにこなし、最後は5m程のランナウトで落ち口を越えて、ノーテンのままトップアウト。
梅さんは常に安定した姿勢を保って、力みのない感じでサクサクと登り、上手な人の登りはこんなにも違うものなのかと衝撃を受けました。
というか梅さんがこんなにアイスクライミングが上手いということを今まで知らなかったので、とても驚きました。
その後は梅さんが張ってくれたトップロープで皆で練習して、僕もトップロープではノーテンで登ることができました。
途中で何度か両腕を交互にシェイクしてレストすることはできたので、そういうところならスクリューは打てるはずなのですが、実際にリードで登ると恐怖で力が入り過ぎてしまうのと、スクリューインの動作そのもので力を使い過ぎてしまい、すぐにパンプしてしまいます。
今回はちょっと見栄を張ってアックステンション用の事前準備をしなかったりもして、それで余計に怖く感じたりもしたので、やっぱり当面はアックステンションの準備だけはして、恐怖心を少しでも軽減させた状態で登ろうと思いました。
南沢大滝をリードで完登できるのはいつになるのか分かりませんが、そもそも登竜門という言葉は、黄河の中の竜門と呼ばれる急流の部分を、流れに逆らって登れた鯉は竜になるという伝説から来ているらしいので、簡単にできるようでは登竜門とは言えないのです。
これからもっとアイスクライミングの経験を積んで、いつかこの滝を完登することを目標に頑張りたいと思います。
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 2020年1月18日 |
 2023年3月14日 |
この日見た南沢大滝は、僕がこれまで見た中で一番立派な姿でしたが、過去の写真を見てみたら、毎回形が大分違うことに気が付きました。
2年前に登ったときと比べると、今回の形は上部の垂直に近い部分が長くて、今回の方が難しそうに見えます。
アイスクライミングは毎年同じ氷瀑を登っても、形も違うし氷結状態によっても変わってくるので、飽きずに楽しめていいなと思います。
結局この日は最後までずっと貸し切りで登れて、午後からは気温も上がってきて指先の痛みもなくなり、とても快適でした。
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