笛吹川 鶏冠谷右俣
まっさんと鶏冠谷の右俣を遡行してきました。
当初の予定では1泊で別の沢に行こうと思ってましたが、このところ午後から天気が崩れる日が多く、2日間のうち1日は天気が悪そうだったので、日帰りで行ける沢に変更することにして、ちょうど2人ともまだ行ったことのない鶏冠谷に行くことにしました。
久々に道の駅みとみで前泊。
昔はこの道の駅の屋根の下にテントを張ったりしたこともありましたが、もう僕の野宿スキルも昔より大分向上しているので、屋根さえあればその辺にゴロ寝でぐっすり眠ることができます。
道の駅みとみからは、鶏冠山から木賊山へと続く鶏冠尾根がよく見えます。
鶏冠尾根の手前に、平行するように戸渡尾根があり、その鶏冠尾根と戸渡尾根の間の谷が鶏冠谷です。
鶏冠谷の出合のところには、ご丁寧に看板が設置されているので、そこで装備を整えて7時20分に入渓。
入渓してすぐに水深の深いところがあり、左から巻くこともできそうだったので一瞬悩みましたが、水の冷たさに体を慣らすことも必要ということで突っ込みました。
水に浸かった瞬間は冷たくて、2人とも奇声を発して耐えましたが、少し時間が経って冷静になってみるとそこまで冷たくはなく、むしろ若干ぬるい感じ。
この日も東京では最高気温37度の猛暑日の予報で、沢登りにはちょうどいい暑さです。
入渓から10分ほどで出てくる最初の難関の魚留の滝。
他の人の記録を見た感じでは、右の凹角を登っている人が多かったですが、結構悪そう。
どちらかと言ったら左からの方が登りやすそうにも見えましたが、ここは無理せず巻くことにしました。
少し戻って左岸の急斜面から高巻きしますが、この斜面が結構悪く、ハンマーのピックを斜面に突き刺して手掛かりにしながら登りました。
途中で僕がハンドボール大の落石を落としてしまい、危うくまっさんに直撃するところでしたが、奇跡的に落石がまっさんの股間をすり抜けて事なきを得ました。
他の人の踏み跡が全く見当たらないし、あまり歩かれてない感じで地面がグズグズで、この斜面を登って本当に大丈夫なのかと不安でしたが、そのまま登っていったらちょうど魚留の滝の上の辺りに出たので、立木で懸垂下降して沢床に復帰。
この辺りの沢は花崗岩なのでナメがとても綺麗です。
このナメ滝は遡行図には3段12mと書かれていますが、4段に見えます。
この沢の見どころの1つ、逆さくの字の滝。
ここは一応ロープを出して登りましたが、見た目より大分簡単でした。
右俣と左俣が分かれる二俣に到着。
二俣から右俣の先の方を見ると、奥の方で25mの大きな滝がほぼ垂直に落ちているのが見えます。
あれはどう見ても登れなそうなので、大人しく左岸から高巻き。
ここの高巻きは踏み跡が明瞭で、ちょっとトラバースが怖いところがありますが、普通に歩いて25m滝のすぐ上に出ることが出来ます。
次に出てくる30mの滝。
遡行図には右壁から登ると書かれていますが、水流の左の方が登りやすそうだし、残置支点もあるので左壁から登ることにしました。
まずはまっさんがリードで登攀。
あまり離れると声が届かないので、1段上がったところのテラスでピッチを切ることにしました。
この短い垂壁の部分が、ホールドがガバではなかったので少し怖かったです。
テラスから上は僕がリード。
上部は残置支点はありませんが、スラブにクラックが走っているので、カムでプロテクションを採ることができます。
30mの滝を登った後は、特に難しいところはなく、綺麗なナメがひたすら続きます。
ちょいちょい小滝が出てきますが、どれも快適に登れます。
しばらくは綺麗なナメと快適に登れる小滝が延々と続いて、最初のうちは楽しいですが、いつまでも終わらない感じで、綺麗なナメが続いているのが見えてきても、「まだあんのかよ…」と思うようになってきました。
不安になって何度も遡行図を確認しましたが、このナメゾーンが思っていたよりもかなり長く、なかなか次の40m滝が出てきません。
30m滝を過ぎてから1時間20分ほど歩いたところで、ようやく40mの大滝が見えてきました。
写真だと滝の迫力が伝わらないのが残念ですが、奥に見えている大滝はすごく立派な滝でした。
ここで遡行を打ち切ることにして、大滝の手前の枝沢の辺りから、右手側の斜面を登って枝尾根に上がります。
しばらく尾根を詰めていくとピンクテープがいくつか見えてきて、そこからは明瞭な踏み跡を辿ってトラバース気味に戸渡尾根までいきます。
このトラバースが、藪っぽいところをピンクテープを頼りに進んでいく感じですが、道を間違えないように大量のピンクテープが貼ってあり、また歩きやすいように木が伐採された跡も無数にあり、なんだかちょっと沢登りの詰めとしては人の手が入り過ぎている感じがあって、若干残念な感じがしました。
まぁおかげ様で大分歩きやすく、斜面を登り始めてから30分弱で登山道に出ることが出来ました。
下りは近丸新道を降りることにしましたが、近丸新道の途中に珪石の鉱山の跡があるというので、せっかくなの鉱山跡を見学してから下山。
近丸新道は初めて歩きましたが、登山道がトロッコの軌道の跡だったり、火薬庫の跡も残ってたりして面白かったです。
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