小川山38


2024年7月24日(水)
TK2とのクラック修行ツアーの最終日。
この日は今回のツアーの仕上げということで、TK2に何か小川山の5.9のクラックにオンサイトトライをしてもらうことにしました。

僕はいつかトライしたいと思っていた「ピクニクラ」(5.10b)をやることにして、とりあえず行先は兄岩に決定。
前に2人で兄岩に行ったときは2人とも渡渉に失敗してドボンしたので、今回は確実に渡渉できる場所を探して、兄岩より少し下流のところまで歩きました。



そして「ピクニクラ」に到着。
ボルトとNPのミックスのルートなので、とりあえずカムを1セット持って登りました。

カサメリの「ちちくりマンボウ」に似た感じで、適度な難しさの部分がちょいちょいありながらも快適にグイグイ登っていけて、気持ちのいいルートでした。

登っている途中で少し雨がパラついてきたので、降りてから雨雲レーダーを見たら、2時間後ぐらいに大雨が降りそうな感じだったので、TK2は「ピクニクラ」にトライするのをやめて、雨が降りだす前に5.9のクラックにトライすることにしました。



兄岩には「最高フレーク」と「金太郎」という2つの5.9のクラックがありますが、両方とも見てみた結果、「金太郎」の方がオンサイトトライに向いてそうなので、「金太郎」をやることにしました。

初めて見るクラックなので、下から上までクラックを舐めるように見るTK2。
プロテクションを採れそうな箇所を探し、登りながらカムをセットする体勢もイメージして、核心がどの辺りなのか、上部の為にどのサイズのカムを残しておく必要があるか、考えを巡らせながら、ギアラックに着けるカムの順番を調整します。

最初のカムをセットして登り始めましたが、2つ目のカムセットができず、地上までクライムダウンしてきたり、上部で明らかに使わなそうなカムを出だしの方に追加でセットしたり。
試行錯誤を繰り返しながらじわじわと登っていくTK2の姿は、とても堅実で、見ていて安心感のあるものでした。

無事に終了点まで登って、5.9のクラックをオンサイトしたTK2。
カムを残置したまま降りてもらって、残置されたカムを使って僕がリードで登りながらカムの状態に問題がないかを確認し、ついでに僕もピンクポイントしました。
2人とも「金太郎」を登り終えたところで、雨雲がかなり近くまで来ていたので、この日はこれで撤収し、2泊3日のクラック修行ツアーはこれで終了となりました。

TK2はこれまでは、クラックに触るときはまずトップロープで触ってましたが、これまでのクラックの練習の甲斐もあって、とうとう自分で色々考えながら安全にオンサイトトライができるまでになり、一緒に練習してきた僕としても、とても感慨深い思いです。

クラックをNPで登る、いわゆるトラッドクライミングは、ボルトで守られた環境下でのスポーツクライミングとは違って、より大きなリスクを伴うクライミングです。
それでも、自然の岩をありのままの状態で、全てが自分自身の責任の下で行われる、トラッドスタイルのクライミングが僕は何よりも好きなのです。
危険なことだから、あまり人に勧めることはできませんが、仲間の中から、こういうことをやりたいという人が出てくるのはとても嬉しいです。


【今日の成果】
ピクニクラ5.10bMOS
金太郎5.9PP
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