秋川 軍刀利沢
会の新人のなっちゃんと軍刀利沢に行ってきました。
当初の予定ではこの日は天王岩にフリークライミングに行こうかと思ってましたが、前日まで何日も雨の日が続いていて状態が悪そうだったので、急遽沢登りに変更。
今まで僕が沢登りに行くときは、いつも誰かに誘われて行く感じだったので、一緒に行くパートナーが行きたい沢について行ってましたが、今回は僕がリーダーということで、初めて僕が行き先の沢を選ぶことになりました。
沢登りのルートガイドの本を読んで色々と沢の情報を見て、やっぱり勝手が分かっている奥多摩の沢に行きたいと思い、奥多摩の中でも特に慣れ親しんでいる秋川流域に行くことに決定。
その中でも滝の登攀が多くて、そんなに難しくなさそうな沢を探して、南秋川の軍刀利沢(ぐんだりさわ)という沢を登ることにしました。
武蔵五日市駅から数馬行きのバスに乗り、南郷というバス停で下車。
バス停から沢沿いの道を50分ほど歩いて、軍刀利沢の出合のところで林道から沢床に降りて入渓。
軍刀利沢に入ってすぐに小さなゴルジュになります。
水の中を歩くと腰ぐらいまで浸かってしまうので、両手両足を突っ張って進みます。
ゴルジュの後に出てくる綺麗な2段の滝を登るなっちゃん。
さらに5mの滝を越えて進むと出てくるチョックストーン滝。
小さい滝ですがスタンスが乏しくて難しいです。
僕はパワーで強引に登りましたが、なっちゃんはかなり苦戦し、水流を長時間浴び続けてずぶ濡れになってました。
その後はまたゴルジュになり、快適に登れる滝が続きます。
2段15mの大滝。
この滝は直登が難しいので右側から巻きました。
6mのナメ滝。
北向きの沢ですが意外に明るい沢で、日当たりが良くて景色がとても綺麗でした。
ここまで一度もロープは出さずに登ってましたが、この6mのナメ滝の上部でちょっとだけ悪いところがあり、ロープを出そうか悩みました。
まぁでも一手悪いだけだから大丈夫だろうと思い、なっちゃんにもそのまま登ってもらいましたが、やっぱりちょっと難しかったみたいでした。
写真の位置から少し進んだところで動けなくなり、頑張ってホールドに手を伸ばしたものの、足を上げることができず、しばらくキャーキャー言いながら足掻くなっちゃんを、僕は何もできずにただじっと見つめていました。
やがて力尽きて指が外れ、そのまま滑り落ちて滝壺へと沈んでいくなっちゃん。
幸いにも無傷で済んだので、上からロープを投げてトップロープ状態で登ってもらいました。
そしてその次に出てくるのが、世にも珍しいチョックウッド滝。
落ち口のところに大木の残骸が引っかかっていて、チョックストーンならぬチョックウッドの滝となっています。
途中までは突っ張りで登っていき、最後はチョックウッドをホールドにして、水流を浴びながらの豪快なムーブで落ち口の上に立ち上がって終了。
とても爽快でした。
ここも上からロープを投げて、なっちゃんにはトップロープ状態で登ってもらいましたが、なっちゃんは突っ張りムーブを使わずに、果敢にも出だしから水流を全身に受けながらの真っ向勝負でこの滝に挑みました。
しかし最後のチョックウッドを越えるところが登れず、またしても水流を受け続けることになり、時間が経つにつれて見るからに元気がなくなっていくなっちゃん。
面白いから写真を撮っておこうと思いましたが、なっちゃんから「スマホを置いて!ちゃんとビレイして!」とガチで叱られてしまい、(あっ、今本当にちょっとヤバい感じなんだな)ということに気付き、最終的に上からなっちゃんを掴んで引っ張り上げました。
イギリスのクライマーのジェームズ・ピアソンが日本で沢登りをやったときに言ったそうですが、フリークライミングと違って沢登りはチームスポーツなのです。
ちゃんと仲間の状況を考えて助け合わないといけないと思い、深く反省しました。
誤解されないように書いておきますが、ルベルソのガイドモードでビレイしていたので、一時的に両手は離してましたが危険な状態にしていたわけではありません。
少なくとも僕はそういう認識でやってました。
なっちゃんが低体温症っぽくなってしまったので、しばらく休憩してから遡行を再開。
次に出てくる6mの滝は右壁にハーケンが打ってありますが、クライミングをやっている人ならロープを出すほどでもなく普通に登れます。
なっちゃんはさっきのチョックウッド滝で負ったダメージが大きいみたいで、この滝も含めて後は全て巻いてました。
最後の10mの滝は難しそうなので巻き。
この後は滝は出てこなくなり、1時間ほど河原歩きが続きます。
ツメは水流の多い方を辿って行けばそのまま三国峠に出ると本に書かれてましたが、どこかで1本ずれたみたいで、三国峠より少し西の登山道の辺りに出ました。
最後はこの枯れ葉の斜面を登って尾根に上がり、登山道を西に歩いて浅間峠から上川乗へ降りて、バスに乗って帰宅。
大滝と最後の10mの滝だけは巻きましたが、それ以外の滝は全て登れて、とても楽しい沢でした。
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