小川山 涸沢岩峰トラバース
瑞牆・小川山合宿の2日目ということで、この日はTK2と小川山の涸沢岩峰トラバースをやってきました。
涸沢岩峰トラバースは2020年に開拓された新しいルートで、花豆スラブからスタートして、尾根上の岩壁を登り、続けて涸沢4峰、涸沢3峰と登っていって、最後は涸沢1峰の頂上から2回の懸垂下降で降りてくるというルートです。
下降支点だけはボルトが打ってありますが、ルート上にはビレイ点も含めて残置物は一切なく、自然のままのクライミングを楽しむことができます。
キャンプ場を出てから30分ほど歩き、スタート地点の花豆下部スラブに到着。
取り付きジャンケンで僕が勝利したので、僕が奇数ピッチを登ることにしてスタート。
トポでは1ピッチ目は5.5となっており、右側の簡単なところを登ると書かれていますが、右に行けば行くほど簡単になり、そのまた右には普通に歩いて登れる踏み跡があるので、どこを登ったらいいのかよく分からない感じでした。
2ピッチ目(5.5)は花豆上部スラブ。
2ピッチ目を登ってから5分ほど歩くと第一岩壁があり、ここの5.8のピッチが一応このルートの最難ピッチです。
テラスから7mぐらいトラバースしたところからハンドサイズの短いクラックを直上しますが、直角に曲がる感じになるのでランナーを伸ばす必要があり、すごく落ちたくない感じの状況で核心を迎えるので、ちょっと嫌でした。
核心のクラックはハンドジャムがバチ効きですが、うっかり腕時計を着けたまま登ってしまって左手のハンドジャムが使えず、登りながら腕時計を外すのに難儀しました。
第一岩壁の後、さらに4分ほど歩いて今度は第二岩壁(5.6)。
4~5分の歩きがちょいちょいあるので、歩くところではアプローチシューズに履き替えましたが、靴を履き替えたりロープをまとめたりする作業の回数が多く、なかなか面倒です。
このピッチはグレードこそ5.6ですが、プロテクションが採りづらくて核心の一歩がちょっと怖かったです。
第二岩壁を登ると、次に登る涸沢4峰が見えてきます。
ここまでは1つ1つの岩を1ピッチずつで登ってきましたが、涸沢4峰は2ピッチ、その次の涸沢3峰は3ピッチで、ようやくマルチピッチらしくなってきます。
4峰の2ピッチ目(5.7)。
右のコーナーのクラックから登ると5.9だそうですが、左の簡単な方のクラックから登ります。
ここもプロテクションが微妙に採りづらい中で核心を越えることになり、グレードの割には怖いところで、珍しくTK2が吠えてました。
右のコーナークラックはちょっと難しそうでしたが、綺麗なクラックだったので、次に来ることがあったらそっちを登ってみたいです。
4峰の頂上まで登ると、右手側にはたくさんの大きな岩が見えます。
どれが何岩だか分かりませんが、左の一番手前の岩が涸沢5峰のようです。
次に登る3峰の全貌が見えてきました。
4峰の頂上からは4峰と3峰のコルまでクライムダウンしましたが、微妙に悪かったです。
3峰の2ピッチ目を登るTK2。
ナチュプロのセットにも大分慣れてきたみたいで、良い感じにカムをセットしながら登ってました。
このピッチは傾斜の強いところが長く続いて、グイグイ高度を上げる感じが楽しかったです。
3ピッチ目でリッジに出て、そのまま3峰の頂上まで登って、クライミングはそこで終了。
後は下降だけです。
3峰の頂上から10mほどの懸垂下降で降りたら、しばらく歩いてそのまま徒歩で1峰の頂上まで登り、頂上から30mの懸垂下降2回で1峰の基部まで降りて終了。
全体的にグレードの割にはスリリングなところがあり、思っていたよりも大分楽しめました。
このグレードでオールナチュプロで登れるマルチはなかなか貴重なので、これからもっと人気が出そうなルートだと思います。
|