三ツ峠山8


2024年6月10日(月)
6月の会山行は、三ツ峠でセルフレスキュー訓練。
前日の夜から当日の朝まで雨が降っていて、岩は濡れていましたが、とりあえず訓練はできました。

総勢16名と多くの会員が集まり、みんなで懸垂下降の仮固定、からの登り返し、からの懸垂下降への切り替えを練習。
今回は名目上は僕がリーダーということになってましたが、僕が皆に教えるのはちょっと不安だったので、技術的な説明は特別講師として招集したMATSUにやってもらいました。

ロープの登り返しは、プルージックを2つ作るのが最も基本的な方法ですが、実際にアルパインのルートに行く際に、わざわざプルージックコードを2つ持って行くことはまずないと思うので、いつも持って行く物でできるようにしておくことが大切です。
今回は2本のロープでビレイ器をアッセンダーとして使用する方法で登りましたが、MATSUが見せてくれたお手本では、クアッドアンカーなどに使う5.5mmのケブラーコードをフル活用して、最小限のギアで登り返しのシステムを作っていて、今度僕も5.5mmのケブラーコードを買って真似したいと思いました。



午後には岩も概ね乾いてきたので、4つのパーティに分かれて思い思いのルートを登攀。

僕とスラ婆さんとMATSUのパーティは、適当に第一バンドまで登って、そこから「戸田クラック」(5.10a)を登ることにしました。
「戸田クラック」は、今を遡ること44年、日本のフリークライミング黎明期の1980年夏に開かれた「日山協岩登り協議会」の決勝ルートとして使われた伝説のルートです。(詳しくは菊地 敏之さんの『我々はいかに「石」にかじりついてきたか』に書かれています。)

トポによるとクラックを登るのはルートの最上部の少しだけのようですが、ガスっていて上の方はよく見えず、どれが「戸田クラック」なのか分かりません。
この写真の上の方のV字になっている辺りがクラックっぽかったので、そこをめがけて登り始めてみましたが、ルートがいまいちよく分からず。
最初は写真の真ん中の辺りから右上する感じで登って、途中で左にトラバースしようとしましたが、プロテクションが取れなくて危険なので進めなくなりました。
一旦クライムダウンして一本左のところを登ってみましたが、核心っぽいかぶったフェイスの部分が濡れていて登れず、その上も草がボーボーに生えていたので、もう色々とどうでもよくなって、右側の簡単な方に逃げて登りました。



さらに右にある「十字クラック」を登ってきたヒロさん達のパーティとビレイ点で合流。
その上のピッチは適当に簡単なところを登って終了にして、懸垂下降2回で下まで降りました。

ヒロさん達のパーティは下降のときにロープがスタックして回収できなくなってしまいましたが、午前中の訓練の甲斐もあってか、梅さんがスムーズにロープを登り返して回収してました。

その他のパーティもしっかりクライミングを楽しめたみたいで、霧が濃くてお互いの姿は見えませんでしたが、この日の屏風岩は月稜会の「ゲーツ!」のコールがあちこちで響き渡り、久しぶりに大勢で賑やかな会山行で楽しかったです。


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