湯川6


2024年5月10日(金)
湯川に行ってきました。

湯川はコロナ禍以来、行っていいのかダメなのかよく分からない状態だったので、ここ何年か行ってませんでしたが、JFAのHPの全国のアクセス問題エリア一覧には特に何も書いてなかったので、久々に行ってみることにしました。

まずはアップで「コークスクリュー」。
僕の手のサイズだと、ハンドジャムが微妙に効きづらいので、深めに手を突っ込んでやや捻る感じでジャムを効かせます。
「コークスクリュー」は本当に見事に割れた感じのビジュアルで、登っても楽しい三ツ星のクラックです。

そしてアップの後は「サイコキネシス」にトライ。
過去の記録を確認したら、「サイコキネシス」は5年前に一度トップロープで触ってましたが、出だしの部分で落ちてトライをやめていたので、気分的にはオンサイトトライの感じです。

前にトライしたときは、自分にはこのクラックはまだ早いという気持ちがあり、真剣にトライする気になれませんでしたが、あれから僕も着実にクライマーとしての力を蓄えてきました。
今の僕なら、きっとこのクラックだって登れるはず。
そう思い、今日はこのクラックを登りにやって来たのです。

改めて「サイコキネシス」をよく見てみると、真っすぐに入った長いクラックで、非常にかっこいいです。
前半の方が難しそうなので、出だしからホールドやスタンスに使えそうなところをよく観察し、トライを開始。

まぁもちろん一撃で登れるとは思ってませんでしたが、出だしの数メートルのところであっけなくテンション。
ハングドックして手足をクラックに突っ込んで色々ジャムを試してみましたが、とにかく痛くて、何度も情けない悲鳴を上げながらムーブを探りました。

手足の激痛に耐えながら、何度もテンションを掛けてジリジリと登り、なんとかトップアウトはできましたが、数えきれないほどのテンションを掛けているうちに、トライする前には確かにあったはずの僕の自信は、粉微塵に打ち砕かれていました。

しかしルートの内容はとても面白く、僕の心の中は、やりがいのあるクラックに出会えた喜びで満ち溢れていました。
微妙なサイズでジャミングが難しいですが、しっかり練習してこのクラックを登れるようになれば、1つ僕のレベルが上がるような気がします。

そんな僕の思いをよそに、パートナーはあっさりと「サイコキネシス」を再登。

僕は2回目はトップロープでトライし、ムーブをしっかり固めることにしました。
ジャミングしたときの痛みが1回目よりも強く、ちょっと嫌になりそうでしたが、なんとか耐えられるようなジャミングを色々試しながら、また何度もテンションを掛けながら少しずつ登ります。
もう指の力が残ってなくて、何回やっても上手くカムセットができないところがあり、多分今日はもうダメだろうなという気持ちになってきましたが、とりあえず頑張ってトップアウト。
後半は問題ないので、中間部までのムーブがしっかり固まれば登れそうですが、とにかく手足が痛いので、痛みに耐え切れるかどうかという感じです。



僕が降りてきた後で、パートナーは「テレポーテーション」にトライ。
「テレポーテーション」はまだ登ってなかったみたいですが、最初のトライでは核心のところで落ちてしまい、残念ながらレッドポイントならず。
このクラックは最後に核心部があり、核心の手前で座って休めるテラスがあるので、最後の3メートルぐらいの部分がこのクラックの本体という感じです。

この時点で14時過ぎぐらいでしたが、僕は腕の疲労具合からして、もうあと1トライぐらいしかできなそうなので、しっかりレストして最後の1トライに賭けることにして、30分ほどお昼寝。
この日は朝はちょっと寒いぐらいでしたが、昼過ぎぐらいからはちょうどいい暖かさで、新緑の木漏れ日の中でのお昼寝が最高に気持ち良く、まさに至福の時間でした。

そして僕の「サイコキネシス」への3回目のトライ。
これまでのトライのシューズは、クラック用に使っているBDのアスペクトを使ってましたが、フットジャムはそんなに使わないので、花崗岩のフェイス用に使っているオタキでトライしてみることにしました。

お昼寝してしっかりレストしたせいか、シューズを変えたのが良かったのか、自分でも信じられないほどスムーズにムーブがつながって、カムセットもこれまでのトライよりも全然楽に出来て、気が付けば核心を突破していました。
あともう少し登れば大レストできるガバがあり、そこから後はさほど難しくはないので、これはもう登れると思いましたが、そこの部分のムーブがまた固まってなかった為、ムーブ迷子になってしまい、しばしその場で足を色々動かしてモジモジ。
頑張って突っ込めばよかったかもしれませんが、モジモジしている間に何度か足がスリップしたことで弱気になってしまい、その場でテンションを掛けてしまいました。

1テン後はすぐにガバを取ってしっかりレストして、そのまま終了点まで登り、1テンでトップアウト。
核心を越えてカムをセットした時点では大分余力があったので、もう1回やれたら登れるとは思いますが、もう指の皮が結構剥けてしまったので、レッドポイントは次回に持ち越すことにして、最後に余った時間で「デゲンナー」を登ってこの日は終了にしました。



パートナーは「テレポーテーション」を本日2回目のトライでレッドポイントし、もう17時過ぎでしたが、最後に「バンパイア」を登り始めました。
この写真のクラックを真っすぐ上まで登るのが「バンパイア」ですが、途中から右のクラックを登る「テレパシー」というルートもあります。

最後のかぶっているところの手前まで順調に登ってレストしている姿を見て、一日で湯川の3大クラックを全部登るなんてすごいなぁと思っていました。
しかし、「バンパイア」は既に登ったことがあるようで、まるで「登れると分かっているところを登っても意味がない」と言わんばかりに、迷わずに右のクラックを登り始めました。

しかし核心部で見事に玉砕。
さすがに今日一日何本ものクラックを登った後では難しかったようです。
事情により名前は伏せておきますが、相変わらず易きに流れない男だなと思いました。


【今日の成果】
コークスクリュー5.10a再登
サイコキネシス5.10dトップアウト(テン山)
サイコキネシス(TR)5.10dトップアウト(テン山)
サイコキネシス5.10dトップアウト(1テン)
デゲンナー5.9再登
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