二子山中央稜


2023年11月30日(木)
TK2、そーた、HSGと二子山中央稜に行ってきました。

そーたもHSGも着実に力を付けてきていて、10aぐらいは普通に登れるようになってきたので、そろそろちゃんとしたマルチピッチのルートを体験してもらおうと思い、一緒に二子山中央稜を登ることにしました。

僕とHSGのパーティと、TK2とそーたのパーティに分かれて、僕らのパーティから先にスタート。
このルートの面白いところはやっぱり核心の3ピッチ目だと思うので、HSGとそーたに核心ピッチを登ってもらう為に、奇数ピッチを2人に登ってもらうことにします。

11時半頃、HSGのリードで1ピッチ目の登攀を開始。
僕は前に来たときに2ピッチ目だけボルトを使ってしまったことが心残りだったので、今回は2ピッチ目をちゃんと残置無視で登りました。



そして問題の3ピッチ目。

ちなみに僕が初めて二子山中央稜を登ったのは、2015年の11月、今から8年も昔のことです。
あの頃の僕は、色んな登山教室に通って沢登りとか岩登りをたまにやっていて、まだちゃんとクライミングを始める前でしたが、たまたま保科さんのクライミングスクールで二子山中央稜を登る企画があったので、それに申し込んでオールフォローで登らせてもらいました。
今になって思えば、こんなに良いルートを、ガイドにお金を払ってオールフォローで登るなんて、すごくもったいないことをしたなと思います。

ちゃんとクライミングの練習をして自分で登れる力を付けて、全ピッチをオンサイトで登れたら一番最高だと思うので、今回は是非ともHSGとそーたに頑張ってオンサイトしてもらいたい。
そんな願いを込めて、2人を今回連れてきましたが、このピッチはそこそこ難しかった記憶があるので、2人がちゃんと登れるかどうか、心配もありました。
まさに弟子の晴れ舞台を見守る師匠の心境で、核心へと向かうHSGを見つめます。

この日は冷たい北風が強く吹いていて、ビレイ中にも時折強い風が吹いて体が煽られ、クライミングコンディションとしてはベストとは言い難い状況。
轟轟と風が鳴る度に、恐怖で全身に力が入ります。
そんな中でとうとう核心に差し掛かり、HSGの動きがしばらく止まります。
色々ホールドを触って登り方を考えているようでしたが、やがて覚悟を決めて登り始めました。
ちょっと辛そうなHSGの様子を見て、ガンバ!ガンバ!と必死に叫び、やがて核心を抜けてレストしているのが見えたときは、僕まで本当に嬉しい気持ちになりました。



僕も3ピッチ目をフォローで登って、大テラスでしばらく休憩してから下を見てみたら、3ピッチ目の核心でそーたが手こずってました。
こうなったらそーたにも是が非でもこのピッチをオンサイトしてもらいたいので、最初のうちはそーたにもガンバガンバと声をかけてましたが、10分ぐらい動きがなかったので、見るのをやめて岩陰で風を避けて休憩していたら、いつの間にかそーたも大テラスに居ました。

どうやらそーたもちゃんとノーテンで核心を突破してオンサイトしたようです。
今年の春に初めて一緒に天王岩に行ったときは、5.9どころか5.8も登れなかったそーたが、地道に上達して二子山中央稜の核心をオンサイトしたというのは、なかなか感慨深いものがあります。



大テラスから上のピッチは簡単なので、何の問題もなく登って、無事に終了点に到着。
せっかくなので、中央稜がよく見える位置まで歩いて、TK2とそーたが最終ピッチを登っているところを撮影しました。



反対側から僕の姿も撮影してもらいました。
二子山の頂上の景色は、ここが埼玉県ということが信じられないぐらいかっこいいと思います。

自分にはできなかった、二子山中央稜のオンサイト。
僕のときは、クライミングについてまだ無知だった為に、何の気なしにオールフォローで登ってしまいましたが、そのことを失敗したと思っているからこそ、後輩たちにはきちんと登ってもらいたくと、若干の不安はありましたが、核心をリードで登ってもらいました。
そして後輩たちが見事に核心をオンサイトして、僕の無念を晴らしてくれたのです。
とても嬉しいです。


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