剱岳 源次郎尾根
TK2と剱岳の源次郎尾根に行ってきました。
実は僕は剱岳にはまだ登ったことがなく、今回が初めて。
まだ剱岳は写真でしか見たことがないので、すごく楽しみです。
朝4時にTK2の車でピックアップしてもらって、扇沢からの始発のバスに乗り、9時頃に室堂に到着。
源次郎尾根は2泊3日の行程で行く人が多いようですが、僕らは今回1泊2日で行くので、荷物の軽量化の為に小屋泊で行くことにしました。
まずは初日の目的地の剣山荘を目指して、雷鳥沢方面へ向かいます。
雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。
室堂から雷鳥沢キャンプ場までは、一旦200mぐらい下り、そこから剱御前小舎まで500mぐらい登ることになります。
室堂を出発してから2時間ぐらいで剱御前小舎に到着。
いよいよ憧れの剱岳とご対面です。
ようやく剱岳が見えました。
思っていたより横長ですが、巨大な岩山という感じがしてかっこいいです。
まっすぐ剣山荘へは向かわず、山岳警備隊の詰め所に寄って雪渓の最新状況を確認する為、剱沢小屋の方へ下りていきます。
下りていくにつれて、剱岳の姿がよく見えるようになってきました。
この辺りから見る剱岳が、形が整っていて良い感じです。
山岳警備隊の詰め所で雪渓の状況を確認。
平蔵谷出合から先は雪なしと書いてありますが、出合のところまでは雪があるみたいです。
帰りの室堂からの最終バスの時間を考えると、明日の朝は暗いうちから源次郎尾根を登り始めたいので、万全を期す為に今日のうちに取り付きまで偵察に行って直接確認することにします。
剱沢小屋から20分ほどで、今日のお宿の剣山荘に到着。
小屋の中はすごく綺麗で、トイレは水洗で、なんとシャワーも使えます。
売店も充実していてグッズもたくさんあったので、記念にTシャツを買いました。
こちらが本日の寝床。
コロナで定員を減らしているみたいで、2人分のスペースを使えて快適でした。
小屋で少し休憩してから、源次郎尾根の取り付きまで偵察に行きました。
剣山荘から剱沢の方へ直接下りる道もあるので、最初はそこから下りようとしましたが、藪っぽいうえに道が水たまりみたいになっていて歩きづらく、明日の朝にヘッデンの明かりでこの道を歩くのは難しいだろうということで、一旦引き返して剱沢小屋の方まで歩いてから剱沢に下りました。
しばらく歩いたら雪渓が出てきました。
平蔵谷出合までは夏道を使うつもりだったので、夏道を歩いて下りましたが、先の方で雪渓の上を歩いている人たちが見えたので、僕らも途中からアイゼンを着けて雪渓の上を歩きました。
乗っているところの厚さがよく分からないので、最初はちょっと恐る恐るでしたが、歩き始めてみたら夏道よりも全然歩きやすかったです。
目印の大岩を過ぎて平蔵谷出合に到着。
平蔵谷雪渓はところどころ切れてました。
7月ぐらいの雪渓がたっぷり残っている時期であれば、ここを登って一気に平蔵のコルまで行けるみたいで、残雪期の剱岳の入門ルートとなっているそうです。
源次郎尾根の末端に到着。
雪渓から上陸する部分がどうなっているのか心配でしたが、何の問題もなく普通に上がれました。
ガラガラしたところを少し登ると、登山道みたいなしっかりした踏み跡が出てきたので、踏み跡に沿って登っていくと、突き当たりのところの正面に最初の岩場が出てきました。
しかしその岩場の取り付きのところから、さらに右へと続くしっかりした踏み跡があり、そちらも見てみると、取り付きにハーケンが2つ打たれたフェイスがありました。
突き当たりの正面の岩場の方が簡単そうでしたが、ハーケンも打ってあることだし、こっちからでも登れるだろうと思い、一応ロープを出して右側のフェイスをちょっと登ってみることにしました。
ジャンケンで勝ったTK2がリードで登り始めましたが、意外と登り辛いみたいで苦戦している様子。
ろくにプロテクションも取れないまま、途中で行き詰ってしまって若干ヤバそうな感じになりましたが、脇に生えている木を掴んでなんとか上に抜けることができました。
僕もフォローで同じところを登りましたが、岩がかなり脆く、どのホールドを掴んでもどこか頼りない感じがして、あまり人に登られてないような感じでした。
その後、懸垂で下に降りれそうなところを探して降りてみたら、最初に見つけた岩場の取り付きのところに着きました。
どうやらこっちの方が、正しいというか、一般的に登られているルートのようです。
一度間違ったところを登ってしまいましたが、とりあえず正しい取り付きは確認できて、偵察の目的は達成したので、偵察を終了して引き返すことにしました。
剣山荘への帰りは、時間短縮の為に剱沢から剣山荘に直接行く道を通りました。
しかし剱沢から上がる部分がザレザレの急斜面で、急斜面を過ぎてからも藪っぽくて歩きづらい道でした。
やっぱり剱沢小屋から剱沢へ降りる道の方が、時間はかかるけど暗くても安全に歩けるので、明日はそっちの道を使うことに決定。
偵察も結構色々あって大変でしたが、とても収穫の多い偵察だったので、初日のうちに偵察しておいて良かったと思いました。
これで明日は取り付きまで迷わずに行けます。
今回の源次郎尾根は僕もTK2も初めてなので、お互いに未知の部分が多く、色々と意見を出しあいながら、ときには意見が食い違ったりもしながら、様々なことに対処していくのですが、なんだかそういう感じが楽しいなと思いました。
なんとか夕飯の時間の少し前に剣山荘に戻ることができて、温かいシャワーでさっぱりしてから夕飯を食べることができました。
明日はたくさん歩くので、ご飯をお替わりしていっぱい食べます。
剣山荘はスマホの電波がほとんど入らなくて、夕飯後はとても暇。
小屋の前で夕暮れ時の景色をしばし眺めてから寝ました。
そして2日目は3時前に起きて、朝食に作ってもらった弁当を食べて3時半に出発。
5時前ぐらいに平蔵谷出合に着いて、源次郎尾根を登り始めます。
昨日の偵察で最初の岩場の取り付きは分かっているので、今度は間違わずに、踏み跡の突き当たりのところの沢状のところから登ります。
登り始めのワンポイントだけちょっと難しいですが、その後はただの急斜面という感じです。
よく見たらフィックスロープがいくつも設置されていました。
ここを登った後は、少し藪漕ぎをして登ったらまた登山道みたいなしっかりした踏み跡が出てきました。
第二の岩場。
写真よりも右側の方を登っていく感じですが、ここも一手だけ、クライミングをやってない人だったらちょっと難しそうな感じのところがありました。
ここから後はずっと歩きなので、クライミングの技術的には多分ここが核心部だと思います。
岩場以外は踏み跡がかなりしっかりしていて、本当に登山道を歩いているようです。
白いスラブ状の岩場の辺りで朝日が出てきました。
ここは階段状になっていて、見た目ほどは難しくはありません。
Ⅰ峰への登り。
白いスラブ状の岩場を過ぎてからは、緩傾斜の岩場が結構長く続きます。
ようやく開けた尾根に出てⅠ峰の向こうにⅡ峰、さらに奥に本峰が見えてきました。
この時点でちょうど7時で、時間的にも大分余裕があったので、ここでしばらく小休止。
Ⅰ峰からの下りは、普通に歩いて降りますがなかなか急です。
そしてⅡ峰からの懸垂下降。
ここが今日唯一ロープを使ったところで、この為だけにロープを持ってきた感じです。
そして9時前ぐらいに本峰の頂上に到着。
源次郎尾根上では単独で登っていた1名としか人に会いませんでしたが、頂上は多くの人で賑わっていました。
グータッチで登頂の成功を祝福。
TK2は僕よりも大分ゲンコツがでかいです。
ちょうど僕らが登ってきた辺りに、源次郎尾根の看板がありました。
一般登山者は入らないで下さいと書いてあるあたりに、ちょっとした優越感を感じます。
源次郎尾根の一本隣の八ツ峰。
登っている間、ずっと右側に見えていましたが、源次郎尾根よりも大分岩っぽくて面白そうです。
下りは一般ルートの別山尾根で下ります。
室堂が遥か遠くに見えて、結構ゲンナリします。
有名な「カニのよこばい」。
鎖を掴んで下っても面白くないので、鎖に触らないように下りましたが、結構高度感があって怖いので、鎖にセルフビレイはとりました。
この後も鎖場が何か所もありましたが、鎖を使わないで下りるのがそこそこ楽しくて、源次郎尾根の岩みたいに脆くもないし、意外と別山尾根の岩場の方が楽しいかもと思いました。
途中で剣山荘に寄って休憩しましたが、もうかなり疲れが溜まっていて、剣山荘から剱御前小舎までの登りがすごく辛かったです。
雷鳥坂を下りきったら、そこから室堂まではまた登り返しなので、最後の最後に登りがあるのが気が重くなります。
雷鳥沢キャンプ場の辺りまで下りると、なんだか昨日よりも紅葉が綺麗な感じに見えました。
身体はヘトヘトですが、綺麗な景色が少しだけ心を癒してくれます。
最後にみくりが池に映る立山を撮影して、15時ちょうどに室堂に到着。
下ったり登ったりが多くて、一番最後の登り返しが本当にきつかったです。
でも初めての剱岳が二日間とも快晴で最高に良かったです。
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