宝剣岳 中央稜
2022年4月11日(月)
会の山行で宝剣岳に行ってきました。
相変わらずコロナの影響もあって、会の皆で山に行くのはかなり久しぶりです。
今回は歩き組とバリエーション組に分かれて、歩き組は皆で木曽駒ヶ岳へ、僕は山さんと組んで宝剣岳の中央稜を登ることにしました。
始発のバスに乗ってロープウェイを乗り継ぎ、8時半に千畳敷駅を出発。
最高の天気で、岩と雪と空の景色が素晴らしいです。
他の登山客も多く、千畳敷駅から乗越浄土までは点々と人の列が続いていました。
僕らは乗越浄土へ向かう人の列からは外れて、宝剣岳の方へと歩いていきますが、ここの登りがかなり急で、中央稜の取り付きはすぐ近くに見えているのに、登っても登っても辿り着きません。
この日はかなり気温が高くて風もなく、登っているうちに汗だくになりそうだったので、途中でミドルレイヤーを脱いで、この日はこの後ベースレイヤーとハードシェルだけで行動しました。
疲れて後ろを振り返ると、後ろの景色もすごい絶景。
遅れて出発した歩き組の皆の姿が見えます。
もう取り付きは目の前な気がしますが、ここからも意外に遠くて、なかなか着かないなぁと思って俯いて黙々と登っていたら、傾斜が急になってきていることに気が付かず、いつのまにか雪壁状のところを登っていました。
下手したら落ちてしまいそうな感じだったので慎重に登り、取り付きのところも平らな場所はなかったので、岩の窪みのところに身を屈めて入り込み、かなり窮屈な体勢で登攀の準備をしました。
取り付きジャンケンで僕が勝ったので、僕が奇数ピッチを登ることにして登攀開始。
中央稜はボルトがたくさんあるということなので、今回はヌンチャクを多めに持ってきていて、カムも1セットと、さらに最悪登れない場合に備えてアブミも持ってきていましたが、アックスのリーシュにギアが頻繁に絡まってすごく登りづらかったです。
登り始めからすぐに凹角状のところに入って真っすぐ上に登って行きましたが、結構登ってもバンドに着かず、ブッシュっぽくなってきたところで立木でピッチを切りました。
2ピッチ目は山さんがリードで登りましたが、僕がフォローで上がってみたら全然岩が見えず、1ピッチ目で僕が登ったラインが間違っていたことに気付きました。
僕らが2ピッチ目を登っているときに、ちょうど歩き組の皆が木曽駒を登り終えて千畳敷に帰ってきて、僕らが登っているところを遠くから撮影してくれました。
リッジの右側の雪壁を登っている山さんの姿と、ちょっと分かりづらいですがブッシュの中でビレイしている僕の姿が見えます。
ちょうどこの写真の真ん中のリッジが中央稜で、僕らは中央稜の末端を右側に回り込んだところ(氷柱の左のあたり)から取り付きました。
正規のラインはもう少し左から取り付いて左上していって、バンドをさらに左にトラバースしていって、リッジの左側からフェイスを登っていくみたいですが、僕は末端の右側のルンゼを直上してしまったようです。
2ピッチ登ってみて、明らかにラインを間違えていることは分かりましたが、とりあえず立木とかはたくさんあって敗退はいつでもできそうなので、そのまま登りやすいところを登って頂上を目指すことにしました。
ちょっと前までの僕だったら、ここで気分が落ちてたかもしれませんが、こないだの唐沢岳幕岩で見たカトさんの姿を思い出し、こういうアクシデントが起きてからどうするかが大事なんだと思い、むしろやる気に燃えながら3ピッチ目のハイマツ混じりの雪壁を登りました。
今回中央稜を登るにあたって、バンドから上はボルトがたくさんあるみたいだから、ボルトを辿ればルートを間違うことはないだろうぐらいに考えてました。
しかしこの3ピッチ目はもうトポとは全然違うところだったので、自分の目で先をよく見て、登りやすいところとか支点が取れるところを探しながら、どうしても支点が見つからないところはハイマツを掘り出して束ねて支点にしたりして、より自分で考えて登っているという実感がありました。
そして4ピッチ目は山さんがリード。
4ピッチ目からリッジの岩稜に辿り着き、正規ラインに合流しました。
なんだかんだ言って、正規ラインに合流していくつもハーケンがあるのを見つけたときはすごく安堵しました。
合流したところがちょうどオケラクラックの上の辺りだったみたいで、そこからは簡単な岩稜を少し登って、その後は簡単な雪稜歩きで頂上へ。
頂上の手前の雪稜を登る山さん。
取り付きからちょうど5時間ぐらいと、想定していたよりも大分時間がかかってしまいました。
しかも1ピッチ目からラインを間違ってしまったので、これで中央稜を登ったとはとても言えませんが、それでも僕の中ではそれなりの充実感があるので、とりあえずドヤ顔で山頂のお立ち台に立って記念撮影はしました。
宝剣岳から見る三ノ沢岳がなかなかかっこいいです。
アプローチも含めると登りは6時間かかりましたが、宝剣岳の山頂から千畳敷駅までの下りはわずか30分で帰ることができました。
このアプローチの短さは最高です。
下りの途中で、改めて宝剣岳を眺めて自分らが登ったラインを確認。
こうやって一回登った後で見ると宝剣岳中央稜の正しいラインがよく分かります。
今回は今回で楽しく登れましたが、また今度ちゃんと中央稜を登りに来たいです。
今回のルート
8:30 千畳敷駅
↓ 1時間
9:30 中央稜取り付き
↓ 5時間5分
14:35~14:54 宝剣岳山頂
↓ 30分
15:24 千畳敷駅
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