小同心クラック
2021年9月11日(土)~12日(日)
ちょうど一か月ぐらい前にTK2と三つ峠で岩トレをしましたが、今回はTK2の初めての本チャンの岩登りということで、小同心クラックを登りに行きました。
今回は贅沢に1泊2日で小同心クラックだけ登るスケジュールなので、1日目は赤岳鉱泉まで歩いてテントを張るだけののんびりハイキング。
ただ、僕としては珍しく土日の山行だったので、テント場の混雑が心配になって結構急ぎめで歩きましたが、到着してみたらやっぱり良さそうな場所は全て埋まっていました。
ところが運よくちょうどテントを撤収している最中の人を見つけたので、空いた場所に僕らのテントを設営して、1日目のミッションは無事に終了。
というわけで小屋で生ビールを買って乾杯。
周りの人たちもみんなビールを飲みながらソーセージを焼いたり、中には小さな鉄板を持ってきて焼肉を焼いてる人も居たりして、すっかりキャンプ気分です。
暇だったのでアプローチの登山道から分岐するところの偵察に行きました。
赤岳鉱泉から硫黄岳方面に2~3分歩いた大同心沢のところで、右の方に入っていく踏み跡がありました。
パッと見は登山道と間違うぐらい明瞭な道で、登山者が間違えて入らないようにロープが張ってあります。
その後はテントに戻ってのんびりしてから夕飯を食べて就寝。
そして翌朝は4時前に起きて4時50分頃に出発。
当初の予定ではもう少し遅く出る予定でしたが、1日目の赤岳鉱泉までの歩きの途中で、小同心クラックを登る予定の4人パーティと出会って話をしたので、なるべく僕らが最初に取り付けるように出発時間を早めました。
出発時点では真っ暗でしたが、前日に確認しておいた分岐のところでロープをくぐって、後は踏み跡明瞭な大同心稜を登ります。
1時間ほど登ったところで大同心の基部に到着。
ここから小同心の方へトラバースしていきますが、ガスが濃くて先がほとんど見えません。
大同心ルンゼを跨いで右上していきます。
ここでちょっと間違えたところに入ってしまい、気が付いたら結構急な草付きを数メートル登ってしまいました。
ほんの数メートルでしたが、濡れた草付きをクライムダウンするのが怖かったので、近くにあった立木で懸垂下降して踏み跡に戻りました。
TK2が僕よりも高いところまで登ってしまったので、懸垂下降するときに少しだけ決死のクライムダウンをしてもらうことになりましたが、後で全部登り終わってから聞いたら、このときのクライムダウンが一番ヤバかったと言ってました。
僕自身も何度か経験ありますが、こういうバリエーションとかマルチのルートって、アプローチとか下降でちょっと危ないところに入っちゃったときが結局一番危険な気がします。
そんなこんなで6時34分に取り付きのテラスに到着。
なんとか一番乗りでテラスに到着し、僕らが準備している間に後続の4人パーティが来ました。
ほんの数分の差でしたが、順番が逆だったら僕らが長時間待つハメになるところだったので、ほっと一安心です。
6時50分頃に登攀開始。
小同心の頭までは3ピッチですが、3ピッチ目はⅢ級なので正味2ピッチというところ。
僕は2ピッチ目のチムニーが登りたかったので、1ピッチ目はTK2にリードしてもらいました。
今日は晴れの予報でしたが、ガスが濃すぎて何も見えません。
無事に1ピッチ目を登り終えたTK2。
三つ峠での練習の成果もあって、支点の作り方やコールのやりとりはバッチリです。
そして2ピッチ目のチムニー。
ホールドは豊富で、チムニー登りというよりはステミングっぽくガシガシ登っていく感じ。
この感じなら、いつか冬に来ても登れそうだなと思いました。
3ピッチ目は簡単な凹角っぽいところを少し登ると小同心の頭に出ます。
この辺りからようやくガスが晴れてきて周りが見えるようになってきました。
小同心の頭に出ると、正面に横岳がドーンと見えます。
後は山頂直下まで歩いて、最後の壁を登れば山頂です。
横を見ると大同心が見えて、真ん中らへんに登っている人の姿も見えました。
大同心とか小同心って冬のアルパインのルートだと思ってましたが、意外と無雪期にも登られているんですね。
僕は寒さに弱いので、無雪期でもいいから大同心は一度登ってみたいと思いました。
そして最後の山頂直下の壁は、もちろんTK2がリード。
風がかなり強く、ビレイ中は凍えるほどの寒さでした。
今日はずっと「これが冬だったら…」ということを考えながら登ってましたが、ここをフォローで登るときにはすっかり指先が冷えて、手も足も指先の感覚が無い状態で登ったので、これがもし冬だったら大変な思いしてただろうなぁと思いました。
そして無事にトップアウト。
TK2は八ヶ岳に来ること自体が今回初めてらしいので、横岳に登頂するのも初めてだそうです。
山頂には登山者がたくさん居て、僕らが装備を片付けていると、「え!?ここを登ってきたんですか?」と何度も聞かれましたが、その度にできる限りのキョトン顔をして「え?そうですよ?」と返し続け、ひとしきり一般登山者にドヤり散らしてから山頂を後にしました。
ついでに赤岳にも登頂してから帰ることにして、赤岳まで歩きます。
小同心クラックを登っている間はずっとガスってましたが、稜線に出てからは展望が開けていい感じでした。
ちょっと離れたところから小同心を見たら、取り付きのテラスと、3ピッチ目の手前のテラスのところに人が居るのが見えました。
取り付きのテラスでは結構多くの人数が待っているように見えて、あの渋滞に巻き込まれずに今日の先頭でルートを抜けられて、本当に良かったなと思いました。
しかし今度は赤岳の山頂手前のちょっとした岩場のところで大渋滞。
ちょっと進んではまた止まる感じのうんざりする渋滞でしたが、この後無事に赤岳にも登頂して帰りました。
今回はたまたま土日が連休になって、天気がよかったので土日に来ることになりましたが、やっぱり山は平日に限るなと改めて思いました。
ちなみに、今回小同心クラックを登るにあたって他の人の記録を検索して見ていたら、初代のTKが2014年の冬に登った記録が出てきました。
久しぶりにTKのことを思い出して懐かしくなったので、このHPを見てくれているTKファンの為に無断でリンクを張っておきます。
https://www.sakaiya.com/blog/6456/
TKへ
元気でやってるか?
見てたらたまにはコメントでも残せよ!
今回のルート
1日目
10:34 美濃戸口
↓ 2時間15分
12:49 赤岳鉱泉
2日目
4:49 赤岳鉱泉
↓ 1時間45分
6:34 小同心クラックの取りつき
↓ 2時間2分
8:36~9:04 横岳
↓ 1時間26分
10:30~10:40 赤岳
↓ 1時間2分
11:42~13:23 赤岳鉱泉
↓ 1時間46分
15:09 美濃戸口
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