小川山


2020年9月16日(水)
MATSUやマッサンらが小川山で4日間のクライミングキャンプをやっているので、僕も2日間だけ合流させてもらいました。

今回は総勢7人の大所帯でしたが、ワイドクラックが好きなメンバーが多く集まっているので、ワイドクラックを登りに砦岩前衛壁へ。

駐車場から歩いて分岐ボルダーから左へ行き、沢にあたったところで登山道から離れて、沢の右の薄い踏み跡を辿って急登を登り、駐車場から1時間弱で岩場に到着。

マッサンが「お手伝いします」(5.10a)というルートでアップをするというので、僕も便乗してそれを登ることにしましたが、オンサイトジャンケンで僕が勝ったので登り始めてみたら、5.10aとはとても思えないホールドの悪さ。
何かおかしいと思って敗退してトポを確認してみたら、「松茸風味」(5.11c)というルートでした。



これが「完全なる酒乱」(5.10c)。

この岩場には「ばんざいジャム」「はさみ虫」「完全なる酒乱」の3つの5.10cのワイドクラックがありますが、この「完全なる酒乱」はスッパリとした美しいクラックで、特別な存在感を放っていました。



トップバッターのさいゆみさんは敗退してしまいましたが、二番手のMATSUが呻き声を上げながらも見事にフラッシュ。

ワイドクラックと言えば、このクライマーの苦悶の表情と呻き声と悪態が、観る側の何よりの楽しみ。
僕にはこのルートはまだ難しそうなので、今回僕はパスしましたが、すごく楽しそうなワイドなので、いつかこのルートに挑戦する日が楽しみです。



そして今回のメンバーの中でも無類のワイド好きとして知られるA掘くん。

正確な時間は計ってませんが、おそらく1時間は軽く越える凄まじい粘りで、長い間クラックに挟まって呻いてました。

惜しくも完登はなりませんでしたが、でも凄かった。
本当に素晴らしいものを見せてもらいました。
この写真の表情も最高です。



僕は「ばんざいジャム」にトライしてみましたが、クラックが浅くて外側の手足の使い方が全然分からず。
適当にもがいていたら途中までは何とか登れましたが、途中で狭くなってきて身動きがとれなくなり、結局ハングドックしても突破できずに最終的にカムエイドでトップアウトしました。

一口にワイドクラックと言っても、クラックが浅かったり、フレアしてたり、オフセットしてたりすると、それだけで体の使い方は全く変わってきて、ハンドとかフィンガーサイズのクラックと比べると、とても複雑にして玄妙な感じがします。



その後、SGWくんとゆみこさんがソラマメスラブに移動するというので、僕も一緒にソラマメスラブへ。

いつかやってみたいと思っていた「ソラマメ」(5.9+)にオンサイトトライしましたが、これがめちゃくちゃ怖い。
+が付いているとはいえ5.9ということと、去年TKがオンサイトしたと聞いていたので、正直言ってちょっとナメてました。

最後のボルトから終了点までのランナウトが怖すぎて登れなくなり、ふくらはぎもプルプルしてきて「あーっ!もうダメだっ!」と諦め落ちしそうになりました。
しかし、ビレイしていたゆみこさんの「ガンバ!」という声に励まされ、決死の覚悟を持ってトライを続行し、リアルに少し泣きながらではありましたが、何とかオンサイト。

もし応援してくれていたのがマッサンとか、普段から一緒に登ってる人だったら、「ガンバ!」とか言われても僕は多分何も感じることなくテンションをかけていたと思いますが、この日に初めて会ったゆみこさんの励ましがあったことが、登れた要因の一つだと思います。
やっぱり初対面の人に応援されると、何か湧き上がってくるものがあるなと思いました。



そして夜は、楽しみにしていた焚き火を囲んでのキャンプ。

焚き火というと、いつも火を付けるのに苦労してきた記憶がありますが、今回はもう完全に準備されていて、しかも僕以外のみんなはもう3日目の夜ということで、大分手慣れた感じで火を起こしてました。

薪も立派なのがたくさんあるし、若者達が勝手にどんどん肉を焼いて僕に食べさせてくれるので、僕としてはほとんどグランピングみたいな感じで、最高に快適でした。
焚き火で焼く肉も美味しかったですが、ホットサンドメーカーで焼いた肉まんが見た目もおもしろいうえに美味しくて、家でも是非やってみたいと思いました。



焚き火で焼いたピザがこれまた最高。
こんなに本格的で贅沢なキャンプは生まれて初めてなので、山でテント泊なのに豪華なメシが次々と出てくることに若干の違和感を感じますが、これはこれですごくいいです。



そして焚き火といえばやっぱりシャウエッセン。
ちゃんと専用の棒まで用意されていて、各々で好きなように焼いて食べます。
フライパンで肉を焼くのとは全然違う楽しさがあり、やっぱりこれが一番の楽しみです。



そしてダメ押しの焼きマシュマロ。
何年か前から、キャンプと言えば焼きマシュマロみたいな話を聞くようになってきましたが、とうとう僕もやってしまいました。

じっくりとマシュマロを焼いていくと、2倍ぐらいの大きさに膨れ上がり、表面はカラメル色にこんがりと焼き上がります。
食べてみると、熱くて甘いドロッとした感じで、率直に言って僕にはその良さが分かりませんでしたが、みんな美味しそうに次々とマシュマロを焼いて食べてました。

思い返しながら記録を書いている今となっては、何の話をしていたのか全く思い出せませんが、焚き火を囲んで酒を飲みながら仲間たちと過ごす時間はとてもスペシャルで楽しいひとときでした。

今年はもうそろそろ沢登りのシーズンも終わってしまいますが、来年は泊まりの沢で焚き火をしたいです。


【今日の成果】
松茸風味5.11c敗退
ばんざいジャム5.10cトップアウト(テン山、カムエイド)
ソラマメ5.9+MOS
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