赤岳主稜


2019年12月9日(月)
12月の会山行で八ヶ岳に行ってきました。

今回は赤岳〜硫黄岳の縦走組とバリエーション組に分かれて、僕はもちろんバリエーション組で、1日目は赤岳主稜、2日目は阿弥陀北稜を登ります。
今日のパーティは僕とまーしーとタマちゃん。
まずは南沢を歩いて行者小屋を目指しますが、この時期の八ヶ岳にしてはびっくりするぐらい雪がありません。



途中で縦走組のクミちゃんとカトさんに追いついて、そこからは5人で一緒に行者小屋まで。
少しずつ雪が出てきてテンションが上がってきます。



2時間ちょっとで行者小屋に到着。
行者小屋の温度計はマイナス10度になってました。
やっぱり雪は少ないですが、一応雪山っぽい景色にはなっていて、ちょっと一安心。

ここでテントを設営して、準備をして9時半頃に行者小屋を出発。
別パーティの梅さん・山さん組も阿弥陀北稜に向けて出発していきます。

もう1パーティ、まっさんとまっつんとKWTさんのパーティも阿弥陀北稜へ向かっているはずですが、まっさん達のパーティはかなり足が速く、僕らが行者小屋に着いたときは既にテントの設営を終えて出発した後でした。



赤岳主稜の取り付きを目指して、文三郎道を登っていきます。

2年前に初めて赤岳主稜を登ったときは、この文三郎道の登りでchimneyさんと山さんに全然追いつけなくて、汗だくになって登った記憶があります。
今回はゆっくり登ったので息が乱れるようなことはありませんでしたが、後になって前回のときのタイムと比べてみたら、不思議と今回の方が速く取り付きまで行けました。
日頃のランニングと筋トレの成果があったのか、あの頃よりはちょっと体力がついたようで嬉しいですが、それでも仲間達と比べるとまだまだなので、引き続き頑張っていきたいと思います。



明日登る予定の阿弥陀北稜がよく見えます。

この写真では見えませんが、まっさん・まっつん・KWTさんパーティと梅さん・山さんパーティが北稜を登っている姿がちょいちょい見えました。



そして取り付きへのトラバース地点に到着。
ここから登山道を離れて、取り付きの目印のチョックストーンのところまでトラバースしていきます。



取り付きで登攀の準備をして、僕がリードで1ピッチ目をスタート。
雪が少なすぎてチョックストーンは下をくぐれる状態でしたが、せっかくの核心なので、あえてくぐらずにチョックストーンの上を登りました。

ここも前回はかじかむ指で必死になってホールドを探しながら、アックスの使い方も分からず、ただの重りとして手首からぶら下げて登りましたが、今回は指の感覚もしっかりあったので、落ち着いてムーブを探って突破できました。



2ピッチ目はまーしーがリード。
この辺りなんかも、前回は風も強くて寒さに凍えながら登った記憶しかありませんでしたが、今回は全く風がなく、気温も朝よりは大分上がってきて、お日様も出てきてポカポカと暖かく、まるで春山のようなのんびりした感じです。



2ピッチ目を登っていると、上の方から、月稜会のメンバーがお互いを呼ぶときに使う「ゲーツ!」というコールが聞こえてきました。
こちらも「ゲーツ!」と返すと、上の方で縦走組のメンバーが手を振っているのが見えました。



3ピッチ目は僕がリード。
階段上の岩場を越えて、途中からコンテに切り替えて、プロテクションのとれない雪の付いた斜面を登ります。
まーしーから事前に渡されていた「イボイノシシ」という道具を使えば、このような場所でもプロテクションがとれるらしいですが、使い方が分からなかったので、この部分はプロテクションをとらずに、岩が出ているところまで登ってビレイ点を作りました。



次のV級のピッチはまーしーがリードで登り、その後の緩傾斜の岩場に入った辺りから風が強くなってきたので、そこからはリードの交代をせずに僕がリードで登り続けました。



元気いっぱいのタマちゃん。

どうしても2年前のものすごく辛かったときと比較してしまいますが、あのときの僕はずっと寒さに震えながら、手も足も指の感覚はなくなって、唇も動かなくなって喋ることすらできないような状態で登ってましたが、同じ時期の同じ山というのが信じられないぐらい今日は快適です。



取り付きを出発してから3時間40分ほどで終了点に到着。
ここまで来れば稜線はもう目の前なので、後は歩いて稜線を目指します。



ついに山頂に到着。
風が結構強いので、記念撮影だけして早々に下山することにして、下りは文三郎道を歩いて行者小屋へ戻りました。

今年は暖冬で雪がかなり少なく、積雪期と言っていいのか微妙なぐらいの状況でしたが、それでも一応は冬の赤岳主稜を、連れて行かれるのではなくちゃんと自分の力で登れたというのはとても嬉しいです。
前回の辛い思い出の印象が強く、赤岳主稜には怖いイメージがありましたが、今回は天候条件にも恵まれて嫌なイメージを払拭することができました。



行者小屋に戻ると、他のバリエーション組のメンバーは既にテントに帰ってきていたので、僕らもテントに入って夕食タイム。
食当のクミちゃんが作ってくれたポトフを食べて、翌日の阿弥陀北稜に備えました。


今回のルート


6:20 赤岳山荘
↓ 2時間10分
8:30〜9:33 行者小屋
↓ 1時間7分
10:40〜11:00 主稜の取り付き
↓ 3時間56分
14:56〜15:12 赤岳
↓ 1時間6分
16:18 行者小屋
Comment Box is loading comments...