瑞牆山 屏風岩
どうしても瑞牆のワイドクラックを登ってみたくて、不動沢の屏風岩に行ってきました。
今回のメンバーはまーしーとまっつん、そして会の先輩のKWTさん。
思い返せば2年前の5月、僕が月稜会に入ったときに、初めて外岩に連れて行ってくれたのはKWTさんでした。
あのときは天王岩で、当時の僕は5.9のルートも登れなくて、5.8のルートばっかり登ってました。
KWTさんとクライミングに行くのはあれ以来なので、実に2年ぶり2度目。
この2年間で成長した姿を見せるつもりでいましたが…、そう上手くは行きませんでした。
2日前にまとまった雨が降ったので、乾き具合が心配でしたが、染み出しから水が流れているところ以外は大丈夫で、概ね乾いてました。
まずはアップがてらに、KWTさんと共に「寒々ルート」(3ピッチ/5.7)にトライ。
1ピッチ目をフォローで登るKWTさん。
グレード的には1ピッチ目が核心ピッチで、出だしの部分は傾斜が立っているので少し怖かったです。
少し上がるとレイバックで登れるようになり、登るだけならグイグイ登れますが、クラックの中を見れないのでカムセットはちょっと怖いです。
後半は傾斜が緩くなって簡単になってきますが、クラックが広くなってきてプロテクションがとれないので、怖さで言ったら後半の方が怖いです。
2ピッチ目は3ピッチ目の取り付きまでの短いピッチ。
V級ぐらいの簡単なトラバースですが、高度感があって、ここもなかなかスリリングです。
そしてこれが「寒々ルート」のハイライトの3ピッチ目のチムニー(5.5)。
右側の部分に全身すっぽり入って、上半身は両手プッシュ、下半身は膝と踵を使って止まることができて、意外と動きやすく、上下左右に自由に動けます。
チムニーを登り終わって上から見たところ。
特に難しいところはありませんでしたが、それぞれのピッチで個性的なムーブが出てきて楽しいです。
「寒々ルート」を登り終えると、終了点から少し歩いたところに「よろめきクラック」(5.10a)があります。
瑞牆のワイドの登竜門と言われているルートらしく、今日はこのクラックにトライするのを楽しみにしていたのですが、「よろめきクラック」の取り付きではまっつんとまーしーがうなだれていました。
何があったのか聞いてみたら、2人共「よろめきクラック」にやられたとのこと。
俺が仇をとってやるとばかりに意気込んで、僕も「よろめきクラック」に挑みましたが、出だしの部分は下の方が開いたクラックになっていて、膝を使って何とか止まることはできても、全く上に上がることができません。
何度も戻ってやり直し、体を入れる向きを変えたりも試してみましたが、どうしてもダメ。
左足がもう何をやってもダメで、クラックに入れている右腕も全く体を支えられなくて、頑張ってちょっと登ってみたけどすぐ行き詰ってテンションをかけてしまい、敗退。
今まで、太刀岡山の左岩稜や烏帽子岩の左稜線などのマルチのルートの中で、部分的にワイドクラックが出てきて登ったことは何度かありました。
それでいつも苦しい思いをしてきたので、日吉のビッグロックに行く度にオフウィズスの練習をして、何度も練習をしているうちにかなりスムーズに登れるようになりました。
最初の頃よりは大分上達してきたという実感はあったし、こないだ城ヶ崎で触った5.9のワイドもリードでトップアウトはできたので、5.10aぐらいなら頑張れば登れるんじゃないかと思っていました。
しかし結果は惨敗。それもこれ以上はないぐらいの惨敗で、ほぼ何も出来ないまま終わってしまいました。
その後もみんなでトライを続けましたが…
誰一人として出だしの部分を突破できず。
下からクラックを見上げてもムーブが全然分からなくて、みんなクラックを眺めては「うーん…」と唸るばかり。
結局この日は「よろめきクラック」は諦めて他のルートにトライすることにしました。
文字通り手も足も出なかったので、流石にちょっとショックですが、考えてみれば、フェイスがある程度登れるようになってきて、クラックを始めたときも、初めて城ヶ崎のファミリーに行ったときはフットジャムが全然できなくて、最初は全く登れませんでした。
それでもクラックを登り続けているうちに「カサブランカ」とかを登れるようになったのだから、ワイドクラックだって技術を身に付けていけば登れるようになるに違いありません。
だから一旦「よろめきクラック」からは離れて、ワイドはワイドで、また5.8ぐらいのグレードのクラックから練習しながら、少しずつグレードを上げていきたいと思います。
その後、まーしーは「エンペラークラック」(5.9)にトライしてましたが、これも出だしが悪いみたいで、しばらく悩んだ末に諦めて降りてきました。
KWTさんは「おしん」(5.8)をオンサイト。
そして僕は「不動沢愛好会ルート」の1ピッチ目(5.10a)のオンサイトを狙ってトライしましたが、写真の位置でテンションをかけてしまいました。
若干苦しい体勢でカムをセットしにいったら、セットしたカムのサイズが合ってなくて、ちょっと開き気味になってしまい、別のカムをセットし直すほどの余裕はなかったのでそのまま登ろうとしましたが、やっぱり怖くてそのカムより上には上がれませんでした。
テンションのコールをした後で、ゆっくりとそのカムに体重をかけてみたら、一応静荷重では止まりましたが、70%ぐらい開いている感じで、同じところにもう1サイズ大きいカムをセットしたらバッチリ極まりました。
フィンガーぐらいのサイズだと、まだカムのサイズ選びに失敗することが多く、なかなか一発で決められません。
そういうときに、セットし直す余裕がなくて不安なセットのままで登ったとしても、結局プロテクションが信頼できない状態だと登れなくなってしまうので、初見でもカムのサイズ選びを一発で決められるようにならないと、クラックをオンサイトするのは難しいと思いました。
クラッククライミングは色んなことに気を配らないといけなくて大変ですが、大変な分だけ自分の力を発揮して登っている感じがして、そこがやっぱり楽しいと思います。
なかなか思うように成果は出ませんが、それこそ焦らずに、1つずつ確実にプロテクションをセットして登るような気持ちで前進していきたいです。
【今日の成果】 |
寒々ルート(3P) | 5.7 | OS |
よろめきクラック | 5.10a | 敗退 |
よろめきクラック(2便目) | 5.10a | 敗退 |
不動沢愛好会ルート(1P目) | 5.10a | トップアウト(2テン) |
|
|