一ノ倉沢 衝立岩中央稜


2019年5月13日(月)
今年も岳人さんと一ノ倉沢に行ってきました。
去年は僕と岳人さんの2人だけでしたが、この一年間で月稜会にも若手クライマーが大分増えたので、
今回は一ノ倉沢が初めてのマーシーとまっつんも一緒です。



今年の冬は雪が少ない印象だったので、雪渓の雪が少ないのかなと思っていましたが、
全然そんなことはなく、むしろ去年よりも多い感じです。



春先に積雪があったせいか、雪渓の上は綺麗だし平らで、テールリッジまではとても快適。
僕は今回が3回目の一ノ倉沢ですが、3回目にしてようやく晴天に恵まれて、綺麗な景色です。



出合から30分でテールリッジの取り付きに到着。
正面には一ノ倉沢のシンボル的な存在の衝立岩が聳えています。
今回はとうとうあの衝立岩の上まで登るので、とても楽しみです。



中央稜の取り付きに到着。
当初の予定では僕とマーシーで中央稜、岳人さんとまっつんで南稜を登る予定でしたが、
南稜テラスまでの道に雪が残っており、ここに来るまでの間にも雪の塊がガラガラ崩れていたので、
2パーティとも中央稜を登ることにしました。



1ピッチ目を登ったマーシー。



何ピッチ目か分からないけど登攀中の僕。



核心部のチムニーを登る僕。
背負っているザックが邪魔で結構登り辛かったです。

トポでは4ピッチ目と書いてあったので、取り付きから登り始めるときに順番決めのジャンケンをして、
僕が勝ったので僕が偶数ピッチを登っていましたが、途中を長く伸ばし過ぎたのか、
3ピッチでチムニーの上まで行ってしまいました。



途中のビレイ点で僕らの登攀を待つまっつんと岳人さん。
奥の方に南稜テラスが見えていますが、南稜テラスにも雪が残っています。

この日は結構気温が上がったので、登っている最中に、
あちこちでブロックが崩落するドーンという轟音が響き渡っていました。



途中で岳人さんが若手クライマー3人の写真を撮ってくれました。

岳人さんはスマホで撮影してましたが、
どういうわけか岳人さんが撮影した写真はレトロな味わいのある写真になるから不思議です。



そして8ピッチ登ったところで衝立の頭に到着。
ちなみにマーシーは今回も残置無視にこだわり、オールナチュプロで登ってました。
僕は普通に残置ハーケンを使いましたが、ビレイ点の残置ハーケンはスリングがたくさん通してあって、
ノーズが大きいカラビナだと隙間に入らなくて困りました。

下降は北稜から衝立前沢へ降りるのが一般的だそうですが、
途中で出てくる雪壁を登るのにアックスがないと大変だそうなので、今回は同ルートを下降することにしました。

上から見た感じだと、北稜を下降してから衝立前沢までのところにも雪がかなり残っていて、アイゼンが無いと難しそうです。



中央稜の懸垂下降はロープが引っかかりやすいそうなので、ロープ1本で短く切って降ります。
浮石がすごく多いので、落石を起こしてしまいそうで怖いです。



1時間ほど下降を続けて、4ピッチ目ぐらいのところまで降りてきました。
振り返ると白毛門に良い感じに雪が残っていて、とても綺麗です。



下降開始から2時間以上、多分7〜8回ほど懸垂下降をして、ようやく取り付きまで戻ってきました。
こんなに連続で懸垂下降したのは初めてで、結構腰にきました。

「新版 日本の岩場」には、中央稜は近年は4ピッチ登って終わりにするパーティが多いと書かれていて、
何でそんなもったいないことをするんだろうと思っていましたが、実際に登って下降までやってみて、ちょっと納得。
4ピッチ目以降は結構単調な感じで、下降の苦労を考えると2回目はいいかなという感じです。



テールリッジの下りを終えて、出合までの雪渓の下りは滑りながら降りられるので、とても楽しかったです。



出合から駐車場までの途中の渡渉で、行きのときは飛び石の上を渡れましたが、
帰りのときは水量が増えていたので、裸足になって渡渉しました。

足を水につけたら気持ちいいかと思いましたが、雪解け水で凄まじく冷たく、
水に入った瞬間、足に激痛が走りました。
3〜4歩進んだところで足の感覚がなくなり、もうダメだと思いましたが、
諦めるわけにもいかないので気合を振り絞って歩き、何とか無事に渡渉して帰ることができました。


今回のルート


4:50 谷川岳ロープウェイ駐車場
↓ 50分
5:40〜6:00 一ノ倉沢出合
↓ 1時間18分
7:18 中央稜取り付き
↓ 4時間52分
12:10〜12:24 衝立の頭
↓ 2時間19分
14:43 中央稜取り付き
↓ 1時間17分
16:00 一ノ倉沢出合
↓ 1時間5分
17:05 谷川岳ロープウェイ駐車場


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