太刀岡山 左岩稜
マーシーと太刀岡山の左岩稜を登ってきました。
写真は前泊地の湖畔から見えた茅ヶ岳。
この日は、当初の予定では瑞牆山の不動沢でワイドクラックのルートを登るつもりでしたが、
前々日から2日続けて瑞牆山周辺で集中豪雨があったようで、一応不動沢まで行ってみましたが、
クラックの中を水が流れているような状態で、とても登れる状態ではありませんでした。
楽しみにしていた初めてのワイドクラックが登れずガッカリでしたが、
マーシーが「太刀岡山の左岩稜なら、ワイドクラックのピッチがありますよ。」と言うので、
予定を変更して太刀岡山に転戦することにしました。
というわけで太刀岡山の登山口にある駐車場に到着。
写真の岩稜を左側から登っていくルートが左岩稜です。
アプローチの渡渉ポイントにはハシゴがかかっています。
ちょっと歩いて、下部岩壁に到着。
この辺りはショートルートもたくさんあるみたいです。
これが左岩稜の1ピッチ目。
一段上がったところからハンド〜フィストサイズのクラックを登ります。
不動沢ほどひどい状態ではありませんでしたが、結構濡れていて、登るのはちょっと怖い感じです。
どうしようかちょっと悩みましたが、曇り気味だった空がちょうど晴れてきたこともあり、
しばらく時間を空けて乾くのを待ってみることにしました。
そんなわけで、一旦市街地に下りて時間をつぶして、3時間後ぐらいにもう一度太刀岡山に来ました。
ワイドのピッチでは大きいカムが必要になるかと思い、
マーシーからキャメロットの5番と6番と借りて、フル装備で左岩稜に挑みます。
最初に来たときよりは結構乾いている感じだったので、覚悟を決めてトライ開始。
マーシーは過去にオールリードで登ったことがあるということで、
今回は僕が全部リードで登らせてもらえることになりました。
1ピッチ目はクラックの中が濡れててちょっと汚かったですが、ジャミングはよく効きました。
2ピッチ目はコーナーにあるスクイーズチムニーで、左半身をクラックに突っ込んでずりずり登ります。
3ピッチ目は岩の割れ目を通過して、奥の壁の右にあるチムニーを登ります。
ここで初めて外岩でチキンウイングを使いました。
チキンウイングを使えば右上半身はロックできますが、足がどうにもできずにクラックの中を彷徨うばかりで、
体を上に上げることが全くできませんでした。
チムニーの左にあるフィストサイズのクラックを使って、チムニーにお尻が入れば一安心で、
そこから後はよく覚えてませんが気合を振り絞って上まで登りました。
3ピッチ目を上から見たところ。
僕はチムニー内のスタンスやホールドを使って登ってしまって、
結局フェイスでの登り方を同じような感じになってしまいましたが、
マーシーがチムニーを登るところを上から見ていたら、
ヒールアンドトゥやバックアンドニーを巧みに使って、
チキンウイングやアームロックも駆使して、安定した感じで登ってました。
こういうワイドクラックならではの技術は、本で読んで知ってはいましたが、
実際にやるとなると、やっぱりいきなりは出来ません。
これまで練習してきたムーブとは全く異なる動きなので、ワイドクラックのルートで反復練習を繰り返して、
こういうムーブも身に付けていかないといけないと感じました。
4ピッチ目。
ピッチを切るタイミングを見誤って、かなり行き過ぎてしまいました。
写真の僕が登っている辺りは本来の5ピッチ目の部分です。
だんだんロープが重くなってきてしまい、ちょうどよくピッチを切れるところも見つからなかったので、
途中から10mぐらいクライムダウンしてきてピッチを切りました。
終了点に着いてからの作業などは大分慣れてきたように思いますが、
どこでピッチを切るべきかをいつも迷ってしまい、行ったり来たりして時間がかかってしまいます。
5ピッチ目の終了点から下を見たところ。
この辺りからかなり開放感のあるリッジになってきて、見晴らしがとても良いです。
6ピッチ目の出だしを登る僕。
多分7ピッチ目の出だしの辺りを登る僕。
7ピッチ目の後半はすごく鋭いきれいな形のナイフリッジで、
ナイフリッジの頂点に手をかけて側面をスメアリングで登る、
難しくはありませんがとてもシビれる感じのピッチでした。
8ピッチ目は7ピッチ目の終了点から20mぐらい登って終わりで、ハサミの広場に到着したら、
最後にスラブを登ってハサミ岩の頂上に立って、全9ピッチで終了。
1ピッチ目のスタートが13時でハサミ岩の頂上からの下降完了が17時だったので、ちょうど4時間。
3ピッチ目のチムニーではかなり苦労しましたが、
なんとかオールリードで一度もテンションをかけずに左岩稜を登り切ることができました。
最初の3ピッチでは手ごたえのあるクラッククライミングが楽しめて、
4ピッチ目以降は開放感のあるリッジで最高のロケーションを味わえて、
特に7ピッチ目では文字通りナイフのように切り立った高度感のあるリッジを登れて、とにかく楽しいルートでした。
まだマルチピッチとなると写真を撮ったりする余裕がなくて、マーシーの写真が全然撮れなかったのが唯一の心残りです。
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