小川山 屋根岩2峰南稜


2017年7月10日(月)
8月には会の夏合宿が予定されているので、合宿に参加するメンバーの準備として、
今回は小川山で一泊してマルチピッチのルートを登ります。

廻り目平のキャンプ場にテントを張って、1日目と2日目で別々のルートを登りますが、
1日目の今日は屋根岩2峰の南稜ルートへ。
駐車場からデカデカと見える屋根岩の方へと歩いていきます。



駐車場からカモシカ登山道を歩き、途中の分岐でパノラマコースに入ります。
しばらく歩くと左側にケルンが見えていますが、最初に出てくる小さいケルンを過ぎて、
2つ目の大きなケルンのところから踏み跡を辿っていくとセレクションの取り付きに着くそうです。
南稜の取り付きは2つ目のケルンを過ぎてさらに歩き、3つ目に出てくる写真のケルンのところから左に入っていきます。



出発から20分ほどで無事に南稜の取り付きに到着。
マルチピッチのクライミングは、以前に保科さんのクライミングスクールで講習を受けたことがありますが、
講習以外では今回が初めてとなります。
すごく楽しみですが、ロープワークがちゃんとできるかちょっと心配。

今回のメンバーは6人なので、2人ずつ3組に分かれて、僕はぼくりんさんとロープを結んで登ります。
1ピッチ目はぼくりんさんがリード。
1ピッチ目は下段がW級、上段が5.7のスラブの易しいルート。
久しぶりのスラブで最初はちょっと怖かったですが、問題なく登れました。



2ピッチ目はW級。
なんと2ピッチ目は僕がリードで登らせてもらえました。
今日は全ピッチフォローかと思っていたので、とても感激。
見よう見まねで立ち木を使って中間支点を取りながら登りましたが、登っていくうちにロープがジグザグになってしまい、
後半の方はロープがかなり重かったです。
今回はシングルロープ1本で登りましたが、ダブルロープでジグザグにならないようにクリップすれば大分軽いんでしょうかね。



3ピッチ目も僕がリード。
トポによると、小岩塔を下って、正面にあるうす被りの岩を登り、その上のスラブを登ると書いてありますが(写真の赤いライン)、
正面にあるうす被りのところがちょっと難しそうで、支点も錆びたハーケンが1つあるだけなので、
小岩塔を下ったところの鞍部から左の方へ続く踏み跡を辿って南稜テラスまで登ることにしました。



そして4ピッチ目、核心の5.8のクラック。
ここからセレクションと合流するようです。
ここはぼくりんさんがリード。
カムを使って中間支点を取りながら登って行きます。



クラックに挟まる僕。
僕にとっては初めてのクラックでしたが、最初は登り方が分からず、1回落ちてしまいました。
1回落ちた後で、後ろに居たやまちゃんさんにフィストジャムとニーロックのやり方を教えてもらって再トライ。
右膝をクラックに思いっきり突っ込んで、クラックの中で膝と足で突っ張り、
右手は開いた状態で奥まで入れて、奥で握り拳を作って横向きにしてフィストジャムを極めます。
とりあえずその状態になれば落ちはしませんが、左足はクラックの外に出ていてほとんど何もできないので、
右手のフィストジャムと左手のガストンで少しずつから体を摺り上げていき、
クラックの左上のガバを取って、左のダイクに左足を上げて乗り込みます。

その後もなかなか難しいスラブを登って、その次のチムニーを抜け、その後の簡単なスラブを抜けて4ピッチ目の終了点に到着。
クラックも難しかったですが、その後もスラブもかなり緊張するところで、ぼくりんさんが上から若干引き上げてくれたので、
何とか突破することができました。
自分の力だけで登れなかったのは悔しいですが、このピッチはとても楽しく登れました。
僕も自分でカムとか使えるようになったら、いつかここをリードで登りたいです。



5ピッチ目は、4ピッチ目の終了点からスラブを左斜め下の立ち木の方へ懸垂で降ります。
そして6ピッチ目は、両手アンダーでスラブをトラバース。ここもぼくりんさんがリード。
3つ上の写真で左上の方に見えている部分で、難しくはありませんが、とても開放感があって刺激的でした。



曲がったところでルーフの下が広くなる部分がこのピッチの核心。
完全にルーフの下に入って這うこともできますが、細かいカチを使って、体を外側に出すようにして登った方がかっこいいです。



そして最終ピッチのY字クラックで、ここもぼくりんさんがリード。
ここは左側の5.9のクラックを登るラインと、右側の5.7のフェイスを登るラインがあるそうです。
今回はオリジナルルートの右側のフェイスを登りました。
大きなフレークを使ってレイバック気味に簡単に登れます。

このフェイスを登ると、傾斜が緩くなって体が入るようなクラックになっていて、
クラックの幅がだんだん広くなっていきます。
クラックの中に入ると大変と言われたので、
水根沢の半円の滝みたいに両足を突っ張って登りました。



最後の出口の部分はこんな感じです。



15時50分に屋根岩2峰の頂上に到着。
途中で先行パーティの通過待ちなどもありましたが、取り付きから6時間半もかかりました。



隣には屋根岩3峰が見えます。



3峰の黒い壁の中に、何か白いものが見えると思って、よーく見たらクライマーが登っていました。



頂上から懸垂で降りて、テントに戻って夕飯。
バーベキューをやりましたが、モツを焼いたら炎上して大変でした。



夕飯の後は焚き火をやりました。
ガンガン薪をくべていたら、すごく火が大きくなってしまいました。




こんな心霊写真も撮れました。

そんなこんなで、1日目はこれで終了。
2日目へと続きます。