茶臼山・縞枯山
2017年1月9日(月)~1月10日(火)
12月は仕事が忙しくて山に行けなかったので、今回が今シーズンの冬山一発目。
一年ぶりの冬山なので、まずは寒さに慣れる為にテント泊で北八ヶ岳に行くことにしました。
去年は北横岳と天狗岳に登ったから、今回はその二つの間の茶臼山と縞枯山を登ることにします。
登山口は天狗岳のときと同じで渋の湯から。
茶臼山と縞枯山には二日目に登ることにして、一日目は幕営地の白駒池までの道を歩きます。
ちょうど昨日の夜から降雪があったので、ふわふわの新雪。
気温はマイナス2度ぐらいでしたが、思っていたよりはかなり暑く、登り始めてすぐに汗だくになってアウターを脱ぎました。
スタートから1時間半ほどで賽の河原に到着。
この辺りは岩がゴロゴロで、テント泊装備が重くて歩きづらいです。
賽の河原を越えて、高見石小屋まではまた樹林帯を歩きます。
しっかりしたトレースが続いていたのでトレースを辿って歩いていましたが、
なんだか地形図と違うなと思って、スマホのGPSを見てみたら、
夏道とは大分違うところを歩いていました。
赤い線が実際に歩いたルート。
左下の方が賽の河原ですが、途中から夏道とは逆に曲がって高見石小屋の方へ歩いています。
無雪期と積雪期でルートが違うことがあるというのは知ってはいましたが、
どういう理由でそうなっているのかは分かりません。
高見石小屋に到着。揚げパンが名物らしいです。
小屋のすぐ脇にある高見石に登ったら、今日の目的地の白駒池が見えました。
そして白駒池に到着。
凍った池の上にすっかり雪が積もっています。
池の上を歩いて渡れるみたいですが、ちょっと怖かったので池のほとりを歩いて、
テント場のある青苔荘まで向かいます。
青苔荘に到着。
通年営業の小屋だから開いていると思っていましたが、今日は休みみたいです。
ここのテント場は、一張り分のスペースがあちこちに点在しているスタイルのようです。
ちょうど昨夜誰かがテントを張った跡があり、きれいに整地されていたのでここに張ることにしました。
冬山では日帰りでも必ずツェルトを携行するようにと言われますが、
実は僕は今までツェルトを持っていませんでした。
冬山も結構本格的にやるようになってきて、そろそろツェルトを持たないといけないと思い、
先日ついにツェルトを購入したので、今回はテントではなくツェルトを持ってきてみました。
せっかくなので設営の手順をGIFアニメにまとめてみました。
1.設営場所を決めたら、まずは四隅をペグダウン。
2.天頂部の両端に張り綱を結び、テンションをかけて立ち上げる。
3.側面のサイドリフターにあらかじめ結んでおいた張り綱にもテンションをかけて、完成!
天頂部の両端のテンションのかけ方は、ストックを使う方法と、立ち木に結ぶ方法と、
木と木の間にロープを張って、そのロープにフリクションヒッチで結ぶ方法があるようです。
今回は、出入りがしやすいように出入り口のところは立ち木に結び、反対側はストックを使いました。
初めてにしてはなかなか手際よく張れたと思います。
上のGIFアニメではサイドリフターを使いましたが、
実はインナーポールも持ってきていたので、インナーポールも使いました。
普通は両方使うことはありません。
インナーポールを使うと、中の空間が大分広くなって、かなり快適になります。
初めてツェルト泊をするにあたり、不安もあったので、ネットでツェルト泊の記録を色々と見てみましたが、
テントと比べた場合のツェルトのデメリットとして、
「結露」「狭い」「隙間風」「床からの浸水」「虫が入る」というのがあるようです。
冬山なら、上記のうちの「床からの浸水」「虫が入る」という二点は問題ないので、
あとは樹林帯などの風のない場所で張れば、テントとそんなに大きくは変わらずに使えるのではないかと思います。
この日の夜も風は強かったみたいで、時おり風が林を撫でるような音が聴こえはしましたが、
樹林帯の中なので風の影響は全くありませんでした。
心配していた隙間風もなく、ぐっすり眠れるかと思ったのですが…。
深夜、顔に何か冷たいものがあたって目を覚ましました。
明かりを点けてみたら、ツェルトの内側は結露が凍って、氷や霜がびっしり。
細かい霜が落ちてきて、床は雪が降ったようになっていました。
起きているうちは、ツェルトの中に雪を持ち込まないように、
出入りする度にせっせとブラシで雪を落として外に掃いていましたが、
目が覚めて雪まみれ、内壁も霜まみれの状態では、もはや雪をどうこうする気力もなく、
諦めてシュラフを頭まで被って眠ることにしました。
そして朝6時半に起床。
結局、途中で一回目を覚ましただけで9時間ぐらいがっつり眠れました。
もうすっかりそこらじゅう雪まみれです。
天狗岳でテント泊したときも、結露が霜になりはしましたが、今回に比べたら全く気にならない程度でした。
ちなみにこの日の朝の外の気温はマイナス10度、ツェルト内はマイナス5度。
結露の重さでツェルトがたわんできて、さらに狭くなってました。
インナーポールのおかげで真ん中の部分だけは広さを保っていられましたが、
もしインナーポールもサイドリフターも無かったりしたら、かなり辛いと思います。
ツェルトを買うときに、どのメーカーのツェルトにするか随分悩みましたが、
サイドリフター付きのモデルにして良かったと思いました。
結露が少ないと評判のファイントラックのツェルトだったらもっと良かったのかもしれませんが、
僕が買ったモンベルのツェルトの二倍以上の値段なので、価格差を考えれば我慢できる範囲です。
そんなこんなで、ツェルト内は大変な状況でしたが、外はとても穏やかで良い朝です。
ツェルトの中は狭くて着替えも大変なので、結局外で着替えました。
去年の天狗岳のときは、テントの撤収のときにちょいちょい素手でやっていたらプチ凍傷になってしまったので、
今回は撤収作業の全てを、オーバーグローブを着けたままでやってみましたが、
紐の結び目がみんな凍りついていて、解くのがなかなか大変でした。
ツェルトの内側でインナーポールを固定していた蝶々結びのところが特に大変で、
次回からは凍っても解きやすい結びで結ばないと大変だなと思いました。
撤収に手間取ってしまい、予定より大分遅れて9時頃に出発。
メルヘン街道に出て、雪の積もった道路を歩きます。
霧氷で真っ白になった木が綺麗です。
麦草峠から再び登山道に入り、少し登ると茶臼山が見えてきました。
左が茶臼山、右奥に見えているのが縞枯山です。
さらに40分登って、茶臼山の山頂に到着。
なかなか急な登りで、結構くたびれました。
山頂は林に囲まれていて展望がありませんが、すぐ近くに展望台があるので、そっちに行ってみます。
展望台に到着。
この場所だけは異常に風が強いです。
ここまでの静けさがウソのように風が暴れ狂っています。
12秒のセルフタイマーで自分も写真に写ろうとしましたが、
途中で腰まで埋まってしまって写ることができませんでした。
左側の方で木を掴んでいる手が僕の手です。
この場所まで降りると風はありませんが、ほんの10歩先は暴風で、ここに居ても凄まじい音がします。
これまで林の中で相当守られていたんだなぁって思いました。
今度は縞枯山の山頂近くの展望台。
茶臼山の方から行くと山頂の手前に展望台があります。
こっちは茶臼山の展望台と比べればほとんど風はありません。
タイミングの問題なのか分かりませんが、
林の中でなくても場所がちょっと違うだけでこんなに風の強さが違うのは不思議です。
遠くの方に南八ヶ岳の山が見えます。
去年登った天狗岳の二つの頂も見えてます。
手前に茶臼山が見えていますが、右側の方で小さく雪煙が見えているのがさっきの展望台だと思います。
縞枯山への稜線。
奥の方に北横岳が見えます。
縞枯山の山頂に到着。
ここも山頂は展望は全くありません。
縞枯山から雨池峠まで、標高差150メートルの降りを10分で走破。
なかなかの急斜面でしたが、ふかふかの雪だったので駆けるように降れました。
ゴール地点のロープウェイ山頂駅が見えてきました。
ロープウェイで下に降りた後、バスの出発までだいぶ時間があったので、
ゲレンデの横のレストランでご飯を食べました。
おすすめランチが1200円で鶏が半分食べられるので、下山後のメシには最高です。
今回も荷物は結構軽量化したつもりでしたが、それでも13~14kgぐらいにはなってしまい、 登りがなかなか辛かったです。
冬山をもっと登るなら、まずは体力をもっともっとつけないといけないと感じました。
今回のルート
1日目
12:20 渋の湯
↓
14:47~15:05 高見石小屋
↓
15:43 青苔荘
2日目
9:13 青苔荘
↓
11:03~11:13 茶臼山
↓
11:48~11:58 縞枯山展望台
↓
12:12 縞枯山
↓
12:27 雨池峠
↓
12:50 ロープウェイ山頂駅