北横岳
今年の登り納めに、北八ヶ岳の北横岳に登ってきました。
12月になって雪山シーズンの始まりということで、一発目にどこの山に行こうか結構悩みました。
同じ八ヶ岳の天狗岳や硫黄岳もいいなとは思っていたのですが、
今年は暖冬で全然雪が積もっていないみたいなので、その辺の山はもう少し雪が積もってから行きたいと思い、
まずは簡単な山で冬の寒さに体を慣らすことにして、
冬山の入門者向けの山として名前がよく挙げられる北横岳に行ってみることにしました。
今年は一回もテント泊をしていなかったので、せっかくだからテント泊をすることにして、
冬山でのテント泊の為に、マイナス25度まで対応のシュラフや、テントの冬用フライとスノーペグを買いました。
担いでいく荷物を全部並べて写真を撮ってみましたが、これを全部担ぐのかと思うと、ちょっと気が重くなります。
マットとスコップをザックの外に付けて、なんとか60リットルザックに収まりましたが、
全部ザックに入れた状態で重さを量ったら18kgありました。
立川を8時25分に出発する特急あずさに乗って、茅野からバスに乗り、北八ヶ岳ロープウェイの山麓駅に到着。
茅野駅で電車を降りたときは良い天気だったのですが、ロープウェイの山頂駅方面は雲の中です。
ここにはスキー場もあり、一昨日からオープン予定だったみたいですが、
雪が少なすぎてオープンが延期になったみたいです。
12時少し前にロープウェイの山頂駅に到着。
ここまで来たら少し雪が積もっていて安心しました。
ここが今回のスタート地点で、北横岳まではコースタイムでは1時間です。
山頂駅の近くに「坪庭」と呼ばれる散策路があり、そこだけ散策に来ているような人も何人か居ました。
坪庭を過ぎて、北横岳の登山道に入ります。
頭上の方でビュウビュウと風の吹く音が聞こえますが、樹林帯の中なので風の影響は受けずに済みます。
やっぱり今年はかなり雪が少ないようで、雑誌の写真で見るような一面の雪景色ではなく、うっすらと雪がある感じです。
それでも少し標高が上がったら、雪も多くなってきました。
北横岳ヒュッテを通過。
この小屋は通年営業しているので、小屋の中には結構たくさんのお客さんが居ました。
北横岳ヒュッテを過ぎて10分ほどで、北横岳の南峰に到着。
北横岳は北峰と南峰の2つの山頂がありますが、北方の峰が高いです。
ここまではずっと樹林帯でしたが、ちょうどここから森林限界を越えて、一気に風の影響が強くなります。
道標に付いているエビの尻尾もすごいです。
南峰から5分で北峰に到着。
ガスばっかりで景色が何も見えないのが残念です。
カメラを一脚で固定してセルフタイマーで記念撮影。
かなり風が強くて寒かったので、この後しばらくカメラが動かなくなりました。
今日は双子池ヒュッテのテント場で宿泊する予定なので、山頂から双子池方面に下ります。
大岳を経由して行く道と、亀甲池を経由して行く道がありますが、大岳から下るのは難しそうなので今回は亀甲池方面へ。
ちなみに昨日少し積雪があったようで、この先はまだ獣のものしかトレースがありません。
山頂から少し下ると、またすぐ樹林帯に入ります。
樹林帯に入った途端に、山頂での風の強さが嘘のようになくなり、ほとんど無風になります。
北横岳は山頂以外はずっと樹林帯なので安全ですが、森林限界を越えるところが少なくて、ちょっと物足りない感じがします。
やっぱりもうちょっと稜線らしいところを歩きたくなりますね。
事前に他の人の山行記録を見て、大岳経由の道は下りに使うのは難しそうだと思い、
亀甲池方面に下ることにしましたが、亀甲池への下りもなかなかの急坂です。
2度ほどスリップして転びました。
3日前の12月11日に、東京で最高気温24度という、この時期としては異例の暖かさを記録しましたが、
そのときに八ヶ岳の稜線部分でも雨が降ったらしく、積もっていた雪がかなり融けて、その後凍結したようです。
今はその凍結した氷にうっすらと雪が積もっている状態で、すごく滑ります。
途中からアイゼンを着けて歩きましたが、今回持ってきていた12本爪のアイゼンだと、爪が高くて、
岩の上を歩くときは下駄を履いているみたいになってすごく歩きづらいです。
途中で岩ばかりのゾーンがあったので、アイゼンを一旦外してまた着けたりしました。
こういうときは、爪の低いチェーンスパイクみたいなのの方が歩きやすいかもしれません。
やっとの思いで亀甲池に到着。
北横岳の山頂からここまで、コースタイムでは1時間でしたが、2時間かかりました。
亀甲池から双子池まではほとんど雪はなく、もう雪山という感じはありません。
そして16時過ぎに双子池の雌池に到着。
雌池をぐるっと回って、16時半に双子池ヒュッテに到着しました。
双子池ヒュッテは冬期は営業しておらず、誰も居ません。
あとはここでテントを張って休むだけだと思ったのですが、なんとテント場は小屋の近くではなく、雌池の反対側の辺り。
冬山だし、別に律儀にテント場に張らなくてもいいかなとも思いましたが、そうは言っても雪は全然ないし、
テント場でもないところにペグを大量に打つのも気が引けたので、来た道を10分ほど引き返してテント場まで行きました。
その頃にはもう暗くなり始めていたので、急いでテントを張って、張り終えて中に入って少し横になっていたら、
疲れのあまりそのままうたた寝してしまいました。
目が覚めてから夕食にラーメンを作って食べましたが、ここで持っていた水を全て使い果たしてしまいました。
水は雪を融かして作ればいいと思っていたので、600mlの魔法瓶に入る分しか持ってきていなかったのですが、
テント場の周りには雪はありません。
これは困ったと思い、夜中にヘッデンを点けてテントの外に雪を探しに行きました。
雌池の表面の氷の上の部分に、雪が融けずに残っているのを見つけたので、スコップでその雪をこそげ取って持って帰り、
無事に水を作ることができました。
眠るときはダウンジャケットを着て、ダウンパンツとテントシューズを履いて、その上で厳冬期用のシュラフ、
イスカの「エア900SL」に入りましたが、暑過ぎて眠れず、結局ダウン類は全て脱いで眠りました。
2日目の朝は6時半に起床。
昨夜はなかなか寝付けませんでしたが、最後に時計を見たときに22時半ぐらいだったので、
たっぷり8時間は眠れました。
起きてすぐ、朝食の為の水作りを開始。
テント内は狭いので、火を使うとすぐ暖かくなります。
朝食のメニューは昨日の夕飯と同じ。
マルタイのラーメンに乾燥野菜とチャーシューと餅をトッピング。
朝食後、行動中に持つ為のお湯を沸かして、それからテントの撤収をして、出発の準備が整ったのが8時半。
当初の予定では、後は帰るだけなので、アップダウンの少ない雨池経由のルートでロープウェイの駅まで行く予定でした。
ところが、空を見てみると、今日は実に良い天気です。
ここから北横岳の山頂まで、昨日下りてきたルートをそのまま登れば、2時間程度で着きます。
2時間後までこの天気が持ってくれれば、昨日見れなかった山頂からの景色が見れるかもしれないと思い、
もう一度北横岳の山頂を通って帰ることにしました。
そんなわけで亀甲池方面へと歩きます。
昨日一度通っていて、道の様子は分かっているので、安心して歩けます。
時間が早いせいか、昨日は凍っていなかった道が凍っています。
そして亀甲池に到着。
北横岳の方を見ると、雲が出てきています。
でも晴れ空も見えてはいるので、山頂到着時に晴れていることを期待して登ります。
昨日の自分の足跡を逆に辿るのは、何か変な感じです。
北横岳の山頂の方は曇ってますが、反対側は晴れていて、遠くに浅間山が見えました。
そしてまた森林限界を越え、ハイマツ帯までやってきました。
完全にガスってます。
エビの尻尾がすごすぎて、怪獣みたいです。
11時10分に山頂に到着。
亀甲池から山頂までは、登りでもやっぱり2時間かかってしまいました。
悔しいことに今日もガスです。
時折、うっすらと青空は見えるので、ガスさえ晴れればって感じなんですけどね。
しばらく待っても変わらなかったので、諦めて下山することにしました。
山頂から40分ほどで坪庭に到着。
昨日から今日にかけても大分雪が融けたみたいで、すっかり雪が少なくなってました。
途中で北横岳ヒュッテの入り口にあった温度計を見たらマイナス1度になってましたが、
やっぱり昨日も今日も、この時期の八ヶ岳にしては相当暖かいみたいです。
坪庭の辺りまで下りてくるとガスは無く、北横岳の山頂まで見えましたが、
山頂は黒っぽい雲に包まれ始めていました。
今回は山頂からの景色が見れなかったのは残念ですが、初めての冬山テント泊の経験を積めたので、
とりあえず今回の目的は達成です。
ただ、予想以上に暖かかったり、雪がなかったりして、想像していたものと大分違う部分もあったので、
やっぱりもっと寒くなってから、また改めてテント泊にチャレンジしたいです。
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今回のルート
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1日目
12:00 ロープウェイ山頂駅
↓
13:10~13:25 北横岳山頂
↓
15:25 亀甲池
↓
16:40 双子池ヒュッテのテント場
2日目
8:30 双子池ヒュッテのテント場
↓
9:00 亀甲池
↓
11:10 北横岳山頂
↓
12:00 ロープウェイ山頂駅
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