城山
オリソンテ登山学校の岩登り講習会で、伊豆の城山に行ってきました。
先日の越沢バットレス、二子山中央稜に続き、今回もマルチピッチクライミングの実践で、
南西カンテという入門者向けのルートを登ります。
集合場所は駿豆線の大仁駅でしたが、電車が大仁に近づくと、車窓から巨大な城山の岩壁が見えてきます。
講習会の生徒が8人だったので、講師1人と生徒2人のパーティを4つ作り、
まずは先発の2パーティが南西カンテに向かいました。
僕は後発隊になったので、先発隊が戻ってくるまでの間は、南壁のフリークライミングエリアでウォーミングアップ。
ここにはバトルランナー(4P/5.10a)とエキスカーション(6P/5.10c)というマルチのフリールートがあります。
僕らは下の方でトップロープを張って練習してましたが、上の方でバトルランナーを登っている人が見えました。
最初に登ったのはアナザステップ(5.9)というルート。(水色の人が登っているところ)
登り始めのところは傾斜がきつく、傍から見ているとスタンスが全然無さそうに見えますが、
登ってみると意外に普通に足で立てます。
その後は、もっと左の方にあるホームボーイ(5.8)、グラシアス(5.9+)も登りましたが、
グラシアスは難しくて最後まで登れませんでした。
上空の方ではパラグライダーで飛んでいる人がたくさんいました。
一通りウォーミングアップを終えても、なかなか先発隊が帰ってこないので、
時間つぶしにロープワークの講習を受けました。
一応今回の参加メンバーは基礎的なロープワークは出来るという前提なので、応用編ということで、
・リードがフォローをビレイしているときに、フォローが墜落して動けなくなった場合に3分の1吊り上げシステムで引き上げる方法。
・フォローがリードをビレイしているときに、リードが墜落して動けなくなった場合にビレイヤーが自己脱出する方法。
を教わりました。
15時少し前になって先発隊が帰ってきたので、ようやく後発隊の僕らも南西カンテに向けて出発。
南西カンテに登って降りるのに3時間はかかるということだったので、時間的にはかなり難しい感じでしたが、
とりあえず行けるところまで登って懸垂で降りるということになり、登攀を開始。
写真は1ピッチ目。
ウォーミングアップで登ったルートよりは全然易しく、ホールドはガバばかりなので快適に登れます。
2ピッチ目。
ここも特に難しいところはありません。
3ピッチ目。
この辺りから薄暗くなってきました。
かなり高度感のあるトラバースで、100メートルぐらい下まで見えます。
トラバースが終わって上に上がるところが難しくて、不安だったのでスリングをアブミにしてA0で突破。
ここが4ピッチ目で、ここを越えれば頂上で、そしてここが核心部らしいですが、
僕らがここに着いたときにはもう暗く、しかも先行パーティが登っている最中だったので、
4ピッチ目は登らずに下降することになりました。
3ピッチ目の終了点のバンドのところから歩いて登山道に出ようとしましたが、
すぐに完全に真っ暗になってしまい、ヘッデンの明かりで道を探しながら歩くのは無理ということになり、
結局登ってきたルートを懸垂で降りることに。
ダブルロープを2本繋いで、とりあえず1ピッチ懸垂で降りてみましたが、
3ピッチ目のところはブッシュ帯になっていた為、結び目が木に引っかかったみたいで、
降りた後にロープが抜けなくなってしまいました。
仕方なく講師の1人がアッセンダーでロープを登り返し、結び目を解いて1本のロープで2回懸垂で降りてきました。
そこから後はスムーズに2回の懸垂下降を行い、無事に取り付き地点まで下降。
取り付き地点まで来たので、後は歩いて降りるだけだと思っていましたが、
南西カンテまでのアプローチに使った踏み跡が、下りになると分かりづらい上に、
ヘッデンの明かりでは全く見通しが利かず、ここにきてまさかの道迷い。
とは言っても、もう南壁下部までもうすぐのところだったので、
下で待機していたメンバーと電話で連絡をとって迎えに来てもらい、合流して無事に下山できました。
時間切れで南西カンテを最後まで登れなかったのは残念ですが、
懸垂下降でロープが抜けなくなった場合の実際の対応方法を見れたのは、とても勉強になりました。
10月からの3回のマルチピッチクライミングの実践により、システムには大分慣れてきましたが、
登攀力がまだまだ足りないので、とりあえず冬の間はせっせとジムに通って登攀力を上げたいと思います。
二子山中央稜のときもそうでしたが、一手A0になってしまったのがやっぱり悔しいです。
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今回のルート
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10:10 城山登山口
↓
10:22~14:50 南壁下部
↓
16:50 南西カンテ3ピッチ目終了点
↓
19:45 城山登山口
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